2011年8月24日水曜日

アエラの「消された牛乳汚染」チラ読み

アエラの「消された牛乳汚染」記事を、立ち読み。
内容は想像通りで目新しいものでもない。汚染ありの牛乳でもそうでないものと混ぜて検査して「検出なし」としている、というもの。自分はしばらく前から大手製造の「おいしい牛乳」は買わないことにしている。どうせ、汚染牛乳が混ざってるんだろう。ヨーグルトも食べる気がしない。くそ、買うもんか。○治も森○も雪○も、どこも信用ならねぇ。(伏せ字の意味ないね、どうでもいいけど)
・・・いかん、つい口調が荒くなる。

こういうこと書くヒトもいるが。よりによって農水省ですか。
http://twitter.com/#!/hideoharada/status/105612892644196353

ここしばらくの汚染牛肉クローズアップは、乳牛汚染の問題から目をそらすためのプロパガンダだったのかな。食肉用が汚染されてて乳牛は大丈夫、なわけないよね。

2011年8月19日金曜日

クリエイティブであり続けるために

(この記事は2011/04/04に書かれました)

奥山清行という人がいる。時間がないので詳しいことは書かないが、若い頃からアメリカ、イタリア、ドイツなど海外で活躍してきたカーデザイナーで、フェラーリのデザインチームのチーフを努めたこともある。この人の著作「フェラーリと鉄瓶」(PHP文庫)はそんな彼のシンプルな哲学が詰まった本。その中に今俄然注目したい言葉がある。以下、第6章「クリエイティブであり続けるために」より一部抜粋。

飛行機でトラブルが発生すると酸素マスクが下りてきますが、欧米人はまず自分のマスクをつけてから、ほかの人に装着するのを手伝います。自分が気絶してしまったら、助けることさえできないからです。何も考えないでほかの人にマスクを一生懸命つけているうちに、自分は意識をなくしてしまう。これからの国際社会の中で、日本人はそういう目に遭いそうな気がしてなりません。

この文章を書いた時点で、彼は今現在の日本の現状など、予測もしていなかったはず。
しかしまさにいま日本では、この忠告(?)通りの事態が起きているとも言える。

過剰な自粛などしても誰も救えないし、自分自身の足下が揺らいでいたら人に手を差し伸べることもできない。今の日本で、被災地以外に身を置く人間がやるべきこと。それは上記の言葉がそのまま当てはまる。

私たちは今これから、どんな日本をつくっていけるだろうか。「何も考えないでほかの人にマスクを一生懸命つけているうちに、自分は意識をなくす」ことなく、別の未来をつくりだせるか。

ともあれ、「フェラーリと鉄瓶」はすごく面白くてかっこいい本です。読むと元気が出ると思うので、読んでみてください。

2011年8月14日日曜日

風評被害の意味について今一度確認する

(この記事は2011/05/03に書かれました)

福島第一原発の事故による放射性物質漏れにともない、当然のことながら大気や土壌、海水で基準値以上の放射性物質が検出されるようになった。それにともない、「風評被害が拡大するおそれがある」「風評被害につながる」といった言葉がメディアにしつこく登場するようになった。個人的に、マスコミや世の中におけるそのような動きには違和感を覚えている。以下は、私の個人的「風評被害」定義である。

知っている人、覚えている人がどれだけいるか知らないが、十数年前、O157(オー157)という病原性大腸菌が猛威をふるった時期があった。この時、カイワレ大根が怪しいと噂が流れたが、実際には事実無根のデマであった。つまり、カイワレ大根からO157菌が検出されたという事実はなかったのだ。しかしカイワレ大根農家の方々はいわれのないデマのために多大な被害を被った。おそらく、経済的にも精神的にも。これが「風評被害」である。

そして今回の、原発事故による放射性物質汚染問題は。
福島県や関東のいくつかの地域の農産物から、放射性物質が検出されたという、「事実」がある。たとえその量が、「食べたとしても健康にただちに影響はない」レベルだったとしても、本来なら付着しているはずのないもの、付着しているべきでないものが、付着しているのである。であれば、出荷規制は当然のこと。何故なら、これはデマではなく事実なのだから。つまり、風評ではなく実害なのである。よって、周辺の生産者は風評の被害者ではなく実害の被害者である。政府は「風評被害」という言葉を国民にすり込むことにより、それがもともとは「実害」であるという事実をすり替えようとしているのではないか。

ちなみに、その周辺で採れた野菜についても「汚染の恐れがある」という疑いがあるのなら、規制の対象にするべきである、と自分は考える。何故なら、その「疑い」は根拠のないものではなく、事実に基づいたものだから。放射能物質が検出されていない生産物について「福島県産だから」という理由で敬遠されるとしたら、それは風評といえるかもしれない。しかし今この現状でその風評を払拭するためには、生産者や販売業者は「安心である」という具体的な根拠を示す必要がある。

嫌みな優等生的な発言かもしれないが、正確で適正なモニタリングとオープンな情報開示こそが、被災地の農業と生産者を本当の意味で守ることになる。「風評被害に苦しむ農家」の姿を情緒的に伝える報道に流されず、本質的に大切なことを見極めなければいけない。場当たり的な同情心で商品を購入しても、意味がない。

我々が安全であるという根拠が示されていない商品を選択しなかったらからといって、「風評加害者」になるわけではない。消費者が正確な情報を得た上で納得できる商品を選ぶことこそ健全な消費活動であり、もともとあるべき姿である。そのことは「風評被害を広げる」こととイコールではないはずだ。

あえてリアリストであれ

(この記事は2011/05/21に書かれました)

自分は、リアリストである。事実(と確認されていること)と、正確なデータだけを信じる。


そんな自分なので、汚染されているのかいないのか具体的な根拠も示さずに「被災地の農家を応援しよう」などという情緒的なキャンペーンが展開され、学校給食や企業の社食で被災地の食材が使用されていることを非常に不愉快に感じている。学校給食においては不愉快を通り越して怒り心頭である。大人は食べるものを自分で選べるが、子供は選べない。

私は非情なことを書いているかもしれないが、生きて行くのに必要なのは同情より「命」だ。生産者の生活を守れれば消費者の健康が損なわれてもいいというロジックが、どうして成り立つのか。まやかしの思いやりでいいことをした気分になっている人は、倫理という言葉の意味を分かっていないだろう。放射能汚染を、別の有毒な化学物質や添加物に置き換えてみればすぐに分かることだ。例えば、ある化学工場で爆発がおき、周辺に有毒な物質が飛び散った。畑で栽培された野菜にもそれが付着したが、国内の基準値内ということで出荷制限がかからなかったとする。その野菜を「基準内だから安全です」と言って売ることが、倫理上許されるだろうか。そのような食品を、消費者が喜んで買うだろうか。答えは明らかだと思うが。

添加物や農薬では許されないことが、放射能汚染では許されているのは何故か。この国では今、異常なことが起きていると思われてならない。

倒壊しかけた家屋の旅館に宿泊したがる観光客はいない。
旅館は建物を安全に修復してから客を宿泊させるのが筋だ。
・・・話が微妙にズレてきた気もするが、食材やそれを育てる大地にしても同じことだ。

食品の放射能汚染や風評被害についての自分の考え方は、中部大学・武田邦彦氏の意見に一致している。過去にも何度か引用しているが、改めてあげておく。

科学者の日記110520  哀しい茶葉の検査拒否
(略)
次に広がったのが、汚染された野菜を「地産地消」という名目のもとで、これもやはり関東や福島の子供たちに食べさせようとしたことです。特に、汚染された野菜を給食に使ったり、スーパーが地産地消の野菜しか仕入れないというようなことも行われました。これも東電の責任を「被爆という形で何も責任がない人たちに押しつける」という生産者の非常に自分勝手な判断のように思いました。

(略)
お茶が売れなくなったら困る、放射性物質が検出されたらお茶が売れなくなるというような考えだけで、お茶を生産されたらわたくしはそんな食材は買いません。その放射性物質の量がどのくらいということには関係ありません。人間は「信頼性、誠実さ」です。だから、飲む人の心が判らないで生産する人の食材は口に入れたくないのです.

科学者の日記110512(2) 明るい未来は自分で作る
日本人なら、あるいは福島の人が可哀想だからということで、福島の農産物を買うかも知れません.でも、外国人はそんなことは考えずに「何ベクレルですか」と聞くだけです.そんなときに数値を示さずに「安全です」などと言っても、信じてもらえないのは当然です.逆に「土地が汚染されているのに、なぜ野菜だけ綺麗なのですか」と聞かれて困るだけです.

(略)
福島の人を助けること、
それは汚染された野菜を食べることではなく、
批判したり受け入れなかったりすることでもなく、
福島を綺麗にするのに力を貸すことだ、
それなら、日本人は全力を尽くすだろう.
でも、その福島がSPEEDIのデータを隠し、
野菜のベクレル表示をせず、
ウシや瓦礫を日本中に拡散することを続ければ、
あるいは日本人でも愛想を尽かすかも知れない、

私は日本人だが、やはり「何ベクレルですか」と聞くだろう。根拠も示さずに「安全です」と連呼されても、信頼しないのは当然である。それを「風評被害」と呼ぶのは論理のすり替えに他ならない。

自分は、現在まやかしの被災地応援キャンペーンを生み出している原因は、多くの日本人が政府や大企業のプロパガンダに思考停止状態のまま流され、かつ合理主義性に欠けているせいだと考える。だから、作家・丸山健二氏の「日本人は精神主義で、現実を直視できない。情緒に流されず、合理的に物を見るようにならなければ、何度でも同じ悲劇を繰り返すだろう」という言葉に強く共感するのである。

節電プロパガンダが意図するもの

 (この記事は2011/04/27に書かれました)

節電、節電とこれだけ言われ続けたら、いい加減イヤにならないか。イヤになる自分はいけない(被災地の人はもっと苦しんでいるのに)、とうなだれる必要はない。そもそも使いすぎなど、はなからしていない。寒かったら暖房をつけるのは当たり前だ。部屋があったまったら、消している。それで何か問題が?

福島原発の事故によってどれだけ電力が不足しているのか、そもそも本当にあの事故のために不足しているのは本当なのか、真実は闇の中である。日本人は素直すぎるから、「原発で事故がおきた→電力が不足している→節電しないといけない」と、例によって思考停止状態のまま流される。

丁度今から2年前の、豚インフルエンザのときだってそうだった。
覚えている人がどれだけいるか分からないが、あの時期、ちょっと咳でもしようものなら
周りからドン引きされる勢いだった。(ただの風邪だったのだが、、、しょうがないので、
いちいちトイレに行って鼻をかんでいた)。あんなのは異常である。もし成田空港でクシャミでもしたら、速攻で拉致されていただろう。いや、マジで。

自分は、あの頃の豚インフル過剰反応は、リーマンショック後の最悪ともいえる経済不況から国民の目からそらすために日本政府が仕掛けたプロパガンダによるものであったと確信している。そして今思う。今回の節電プロパガンダの目的は、何であろうかと。例えば穿った見方をすれば、「原発の稼働が一ヶ所で止まっただけで、あなた達はこんなに
電力不足に苦しむんですよ、こんなに節電しないといけないんですよ」とすり込ませようと
しているともとれるが・・・


話が長くなるので詳細は省いておくが、自分は常日頃から「環境問題は環境問題ではなく、
政治と経済の問題である」という考えを持っている。例えば地球温暖化問題は、国際政治・経済の場において重要な駆け引きの道具のひとつにすぎない、という認識である。世界各国の要人達は、別に地球を守るために会議をしている訳ではないのである。

そして話は小さくなるが、今回の節電キャンペーン。今電機店に行けば、様々な「節電商品」と銘打ったPOPが目に飛び込んでくるだろう。少し前までは「エコ家電」だったはず。このように、政治におけるプロパガンダはさりげなく国民の日常生活に染み渡り、それが意図するものが何であるか、など考えさせようともしない。

常識の範囲内で節電することは結構だが、銀座の街から明かりが消えて真っ暗になり夜だれも歩く人がいない、という状況は異常だったと思うし、そんな状況をこのままずっと続けていいわけがない。こういうことを書くと「被災地で大変な思いをしている人のことを思え」などという声が聞こえてきそうだが、今回被災者とならなかった人間が普通に生活することは、大切なことである。


一歩引いて、この大節電キャンペーンの意図を、想像してみよう。
日本国民が節電に走ることによって、誰が特をするのか、考えてみよう。節電キャンペーンの一方で、日本政府及び東電はロシアの液化天然ガス(LNG)利用による電力確保に着々と動いている。しばらくして電力の安定供給が見込めるようになった後、節電プロパガンダはどうなるだろうか。キャンペーンが終了したら、日本国民は「節電、節電」とさんざん騒いでいたのを、またきれいさっぱり忘れるのだろうか。

追記(2011/05/07)
2003年の夏、東京電力の原発が全て停止されたにも関らず、停電は起きなかったという事実があった!(言われてみてそういえばそんなことがあったような、とうっすら思い出した。。)
計画停電は原発推進のプロパガンダである。

追記(2011/05/03)
昨日日付の読売新聞のある投書によると、夜間の電力需要が小さいときに節電しても、電気はためておけないから昼間に補充出来ないらしい。本当だとしたら、夜間にいたずらに照明を控えるのは「無駄な節電」ということでは・・・。

追記(2011/05/31)
いくつかの文献を読むところ、節電プロパガンダの意図はやはり国民への恫喝と捉えていいだろう。乗せられないように、気をつけましょう。

米電力大手NRGエナジー 原発プロジェクト撤退表明

(この記事は2011/04/22に書かれました)

今日も原発備忘録。(こんな備忘録シリーズって、、、)
標題のニュース、以下4月21日付け読売新聞より概要要約。

米電力大手NRGエナジーは4月19日、東芝・東電・米国で進めてきた原発増設計画への
追加投資打ち切りの発表をした。具体的には、NRGと東芝の合弁会社による、テキサス州
「サウス・テキサス・プロジェクト(STP)原発」への増設計画をNRGが断念する決断をした、ということ。が、NRGエナジー側は別の投資家が見つかれば再開する可能性は「もちろんある」としている。

福島原発の事故を受けて、アメリカや欧州では原発建設計画を見直す動きが広がっている。
そんな中、「ベトナムやトルコなど新興国では電力需要を背景に原発推進の機運が強く」、
東芝、日立製作所、三菱重工業など原子力事業に力を入れるメーカーは「今後も原発輸出を
強化する方針」ということらしい。

なんだ、まだ原発でメシを喰う気満々なんだね、あのヒトたちは。
ついでに先ほどのNRGエナジーCEO、未だに温室効果ガスの削減に原発は不可欠だ、などとのたまっている。賢い皆さんは、もちろんこんな戯言に惑わされたりしませんよね?


日本は海を取り戻せるか

 (この記事は2011/04/06に書かれました)

日本は、どこへ向おうとしているのか。そうせざるを得なかったのだとしても。海は、日本だけのものではない。これが「二酸化炭素を排出しない、環境にやさしいエネルギー」の正体なのである。よく覚えておこう。

あまりこういう記事ばかり書いていると精神衛生上よくないので多くは語らないが、以下の記事を是非紹介したい。

イタリア、ローマで脱原発のデモがあったとのこと。
http://romenavi.blog47.fc2.com/blog-entry-1469.html

以下、一部抜粋。
イタリアでは原発導入を決めてましたが、来年、国民投票で是非を問うことになりました。日本の国民がこれだけの被害を受けながら脱原発の運動が活発にならないのかと不思議だと。

また以下のようにも述べている。
受身だけでは、思考停止になってしまいます。正確な情報をご自身で調べ、ご自身の頭で考え判断するということが今、強く求められています。

激しく共感する。

今日の放射能情報備忘録 – 南相馬市の現状

(この記事は2011/04/02に書かれました)

今日は新聞ではなく、スーパーや週刊誌など、街中で拾った小話をメモしておく。
週刊誌元ネタはサンデー毎日と週刊文春。金がないので当然立ち読みである。
立ち読みした記事の記憶をどうにかひっぱりだして書いていることなので、曖昧だったり
読んだことと若干違う話になってるかもしれない。了承願う。

サンデー毎日のグラビアには、福島県南相馬市の様子が写っていた。ジャーナリストの広河隆一氏が現地入りして撮影したもの。日時は確か3月15日だった。ある場所では100ミリシーベルトまで測定できる測定器の針が吹き飛んだとか。また同行者の、1000ミリシーベルトまで測定可能な機器の針も吹き飛んだとか。居合わせた住人に、「早く避難した方がいい」と告げたり、食料品店の前でふと測定してみたら60ミリシーベルトを超えていたので、店の主人に「商品を仕舞った方がいい」と告げたりしている。これはSF映画ではない・・・

同じくサンデー毎日に、田中康夫氏の寄稿があった。
氏と南相馬市桜井勝延市長は、旧知の仲らしい。桜井市長によれば、東京電力からは
電話一本の連絡もないそうで、避難勧告のことも東京発のテレビで知ったという。
南相馬市は現在も物資が届かず、ガソリンがないため移動もできず、約2万人が孤立している
状況らしい。私はついさっき知ったのだが、桜井市長はこの「兵糧攻め」状態の窮状を訴えるため、YouTubeで世界に動画配信した。以下は4月1日の関連記事。
http://www.j-cast.com/2011/04/01092032.html

実際の動画はこちら。3月24日に撮影されたもの。
SOS from Mayor of Minami Soma City, next to the crippled Fukushima nuclear power plant, Japan

こんなことが先進国で起きているなんて。
あー、私に何ができるだろう、、、

別の記事だったと思うが、原発半径30キロメートルの住人の避難の扱いが「強制避難」ではなく「自主避難」なのは、強制避難だと移動に金がかかるから(政府が金を出さないといけないから)という意図があることを、共同通信が政府筋から引き出している、との記述があった。そんなことだろうと思ったが。・・・こんな国にいたら殺される・・・。

週刊文春では、医師近藤誠氏による警告。政府は医療行為で浴びる放射線量などを引き合い
に出して安心感を訴えているが、そもそもCTスキャン自体が危険なのだ、と。また、微量の放射線量の取込みによる健康への影響は現状正確なデータがないが(それは国内の「御用」原子力機関も認めている)、英国の機関の調査によれば、原子力発電所に勤務する作業員の健康調査においてガン発生率の上昇が見られるという。

別の記事では食品への汚染について警告。(ジャーナリストの方の名前は失念・・・)
海に放射性物質が流れ込めばプランクトンがそれを取込み、そのプランクトンを食べた魚へと、食物連鎖がおこる。放射性物質を取り込んだ魚が突然変異で奇形になったりするわけではないので、すぐに気付くことはないだろう、と。また「風評」というが、それが風評ですむことなのかどうかに疑問を呈している。つまり、福島原発から離れていたとしても、放射性物質は風に乗ってどこへ飛んで行くかわからない。どこに影響が出るかは未知数である、と。これには自分も同感である。

最後に、以下は環境向学という会社のサイトより、浄水技術による放射性物質除去について。スーパーなどで濾過水を無料サービスしているが、この会社はその機器を開発している
メーカーのひとつ。この濾過水は地震前には自分もよく利用していたが、一時的に利用不可能となっていた。昨日から再開され「よかったー、助かった!」とホッとした。

http://www.aqua-street.com/special/about_1df.html

上記を読むと、理論上は水中の放射性物質が除去できる仕組みであるようだ。

今後はこういう技術が注目されるようになるのではないか。
半減期が2万4千年もかかる放射性物質を生み出すような技術ではなく。

今日の放射能コネタ

(この記事は2011/04/07に書かれました)

正直言ってこんな話を書くより他にやるべきことややりたいことがあるのだが、「記録魔」なのでつい書いてしまう自分である。。国内大手メディアの「過小評価」版報道ばかり接して鵜呑みにしていると本気で命が危ない、と思う。そんな無責任な報道ばかりして日本人を殺す気か、と。

ネタその1、セシウム降下量、3月18日から4月5日までの検出総量。
文部科学省の調査によると、茨城県ひたちなか市での測定値が1平方メートルあたり
26,399ベクレル。(ちなみに東京都新宿区では6615ベクレル)
この値はどれくらいなのかというと、チェルノブイリ原発事故後にオーストリアなど
ヨ−ロッパ各国で検出された降下量の国土平均値を超えている。

新聞ではさらりと書かれているが。。
このことは、福島原発事故の規模を物語っている。数字はごまかせないものだ。
以下、チェルノブイリ事故後各国の検出量国土平均値。
(出典:2011/04/06付け読売新聞。他の国も知りたいがこれしか載ってない)
オーストリア 18,700ベクレル
フィンランド 12,200ベクレル
ドイツ 2800ベクレル

各国とも一部地域で70,000ベクレルを超えたとのこと。
東京都新宿区の値はドイツの国土平均の約2倍なんだね、、、

ネタその2、海外の原発報道についての報道。仏ル・モンド紙は「国民は不十分な情報
しか与えられておらず、政府と原子力業界の癒着に気づき始めている」と。自分は大昔から気づいていたが。

追記
原子力安全委員会によると、2011年3月12日から24日に放出されたヨウ素131の総量は
単純計算で約3万テラベクレル。これは数千〜数万テラベクレルを規程している原子力事故
レベル6の条件に当てはまる。(2011年4月10日付け読売新聞より)

風呂の適温と放射能汚染

(この記事は2011/04/02に書かれました)

3月31日付け読売新聞に、またしても放射能関係専門家の無責任発言が掲載されていた。さんざん同じことを繰り返し言われているのでここで改めて書くまでもないし、書くこと自体もううんざりなのだが、あまりにも間抜けな発言なのであえて記録する。

現在、原発からかなり離れた首都圏などでも「通常の数倍」の放射線量が計測されている。放射線は目に見えない上、シーベルトなど耳慣れない単位も不安を高めていると思うが、例えば、温度が4度から40度になった風呂に手を入れても大丈夫なように、心配はない。
(放射線医学総合研究所緊急被ばく医療研究センター長/明石真言)

いくら素直な日本人でも、この説明に納得できる人はいるだろうか・・・
「温度が4度から40度になった風呂に手を入れても大丈夫」って、それで筋道のついた説明をしてるつもりなんだろうか、、、

素人にも分かりやすく説明するために日常生活に密着した例えを持ち出したつもりなんだろうが、風呂の温度に例えるのはいくらなんでも間抜けすぎる。ロジックも成り立っておらず、完全あさっての方向である。乱暴な言い方を許して貰えば、「バカにするのもいいかげんにしろ」である。この人が猿ではなく人間ならば、こんなトホホな例え話を持ち出して自分自身の間抜けぶりを露呈したことに後で気がついて、恥ずかしい思いをしているに違いない。が、最後にはご丁寧に、「「風呂」の温度変化には注意が必要だが、普通の暮らしを
維持するのが大切だ。」と述べている。間抜けすぎ・・・(だから、放射能汚染と風呂を一緒にするんじゃねぇーーー!)

大体、風呂の適温ははなから40度だ。あえて風呂の温度に例えるとしたらこれが平常値なんだから、首都圏の測定値上昇を当てはめると4度から40度になったんじゃなくて、40度が400度になったってことになるんじゃないか?

・・・って、自分でも何を書いてるんだかよく分からなくなってきた(汗)
こんな間抜けなおっさんの揚げ足とりなんかすると自分まで間抜けになってしまいそうなの
で、もうやめておくが。。

このおっさんも例のごとく「(野菜などに)放射性物質が表面に付着していて、口に入ったとしても過敏になる必要はない」と無神経に述べている。連日怒濤のように同様の発言が専門家からなされているが、よく考えてみて欲しい。同じことを残留農薬や食品添加物に当てはめたとしたら、こんな無責任な発言が許されるだろうか。

食品に国内の基準で許可されていない添加物が含まれていたことが発見された時の、
メーカーの対応を思い出して欲しい。即時回収とお詫びの広告が常識である。この場合に専門家が「ただちに健康への影響はない」と言うくらいの可能性はあっても、「過度に心配するな」「冷静に対応を」などと言うのを聞いたことがない。そんな発言、消費者が許さないだろう。(日本人は酒席での無礼講が許されるなどアルコールに対して「甘い」国民性が特徴だが、放射能汚染に対しても同様に甘いのか?)

問題の論点は、「通常時より数倍の値の放射線量が測定された水道水や食品を口にして大丈夫かどうか」ではないのである。人が不確定/不確実なものに不安や警戒心を抱くのは当然の心理だ。それは生きていくために必要な本能と言える。ましてやそれが肌に触れたり口に入ったりするものであれば、なおさらである。

この値はいつ元に戻るのか、また再び値が上昇する可能性があるのか、そもそもこの問題を
引き起こした元の原因は何なのか、その責任はどこの誰にあるのか。

福島近隣の農家/酪農家の方々の無念は計り知れない。一方消費者は、自分で納得した食品を選択する権利がある。そのこと自体は、風評被害拡大に加担することとは、根本的に違う。国は国民に対して、安全な水と食品の供給を行う義務がある。日本国民は、「冷静な」監視と追求の姿勢を緩めてはいけない。

終わらないチェルノブイリとFukushimaの未来

 (この記事は2011/04/01に書かれました)

何日か前から、福島原発付近で高濃度の放射能海水汚染が報告されている。
政府筋の説明は「海水は飲むものじゃない(から大丈夫だ?)」「希釈されるから問題ない」など、相変わらず「あなたこそ大丈夫か」と言いたくなるようなとんちんかんなものばかり、である。放射能汚染とそれに対応する政府筋の両方とも、「大丈夫」には程遠い状況には違いない。(不安を煽る意図はない。個人的観測である)

新聞やテレビでは報じていないようだが、確か2日ほどまえ、スイスや英国など欧州で福島原発由来と思われる放射性物質が観測されたと、ネットニュースで見た。これを読んだ時「あぁ、とうとう・・・」と、目の前がグレーになる気がした。放射能汚染はこのように、地球規模に渡るのである。チェルノブイリ原発事故の際も、はるか日本まで放射性物質は渡ってきた。どちらにしても測定値は定かではないが、今回チェルノブイリと逆のことが起こったということは(つまり日本から欧州へ)、事故の規模を物語っていると言えないだろうか、、、

今月は1986年4月に発生したチェルノブイリ原発事故からちょうど25年目にあたる。
福島での事故災害直後(まだ終わってないが)ということもあり、注目が高まっているようだ。このタイミングの符号がまた意味ありげでちょっと不気味でもある。。

さておき、またまたソースは「官御用」読売新聞ではあるが、記録しておきたい記事が
あったので紹介しておく。3月27日付けの記事「事故炉 終わらぬ後始末 – チェルノブイリ 来月25年」より。

かいつまんで概要を述べると、再び原子の火がともることのない発電所を封じ込めるために
15億ユーロ(約1700億円)の巨費が必要で、かつ25年たってもなお、「後始末はまだまだ続く」状況ということだ。現在も半径30キロメートル以内の地域は居住が認められていない。原発付近では現在も、市街地の60倍のガンマ線値が計測される。しつこいが25年後の今、である。

発電所の近くに住んでいた現在初老のある男性は、事故後現場の処理に動員され、防護服も
支給されず5年働き被曝。心臓などの健康障害で倒れたが、被災者年金も満額もらえていない現状だ。このくだりを読むと、「大人には健康被害がなかった」とする多くの国内メディアや専門家の話とすでに全然違っている。(ね、だから言ったでしょ)
「国を救うためと言われ作業に加わったのに、倒れたら用なし。悔しい」と涙をこぼした。

統計や表立ったニュースには登場しない、この人と同様/類似のケースは数多くあるのだろう。なお国連の試算では、事故に起因する死者数は将来分も含めて約4000人ということだ。

ウクライナ農業省のアレクサンドル・ジェトフ放射能検査部長の言葉。
「放射能汚染との闘いは長く続く。私たちが得た経験をフクシマの人たちと分かち合い、ともに闘っていきたい」

原子炉の安定さえ確保できていない現在、マスコミが垂れ流す目先の情報をただ受け取るだけの多くの日本人は、遠い将来のことにまで思いを寄せられない、あるいは考えたくないかもしれない。しかし「放射能汚染との闘いは長く続く」。残念だが、これは日本人が直視しなければならない言葉である。(、、、パーソナル見地で言えば、自分はもう覚悟を決めたが、、、)

そして、翌28日付けの記事では。
原則居住禁止である半径30キロメートル以内の「除外区域」に戻って生活している被災者が、何人かいるそうだ。(推定100人以上)
その中の一人、ある高齢の女性は事故後半年後に隠れて避難先から故郷に戻り、以来当局の説得には応じず、自宅で暮らし続けている。原発事故との関連は不明だが身体の不調を訴えることがあるそうだ。なおこの除外区域では現在も「茶色いキュウリができるなど、今も放射能の脅威は明白」とのこと、、、そんな中でも彼女は「家に帰れて幸せ」と言い切る。

世界保健機構(WHO)は「被災者にとって、避難は放射能被害以上に深い心の傷を残す
経験だった」との調査結果をまとめている。

福島原発の避難区域では、避難したくても出来ない事情を抱え、陸の孤島で見捨てられた
状態で日々を送る人々が、今も現実にいる。紹介した石井苗子氏のブログに、「助けてください」というコメントがあった。あの人達は、今どうしているだろう。救助されていればいいのだが。。また原発10キロメートル以内の区域で発見されたある被災者の遺体は、放射線量が強すぎて区域外に運ぶことすらできない状態だったという。

日本のどこかで、そんな古くさい近未来SF映画のような光景が今現実に存在するなんて、一ヶ月前に誰が想像しただろう?

大げさな書き方はしたくないが、震災後3週間たった今も、私たちが重大な局面にあることは間違いない。重大な歴史の一コマにいる、とも言える。Fukushimaの25年後は、どうなっているだろう。いや、私たちは、Fukushima後の歴史を、どのようにつくっていけるだろうか。

補足:チェルノブイリ原発事故の被害、公式発表一部
緊急作業にあたった50人が死亡(IAEA調べ)
がん死者9000人と予測(WHO)

東芝が太陽光発電企業を買収した意味は

(この記事は2011/3/31に書かれました)

、、、今日も店頭に水がない、、、

プチ非日常な首都圏においてせこせこと500mlサイズのミネラルウォーターを買い付けする
ここ2、3日。そんな中、原発敷地内でプルトニウム検出のニュースも気になるのだが、まったく別の見地から以下の小さなニュースも気になったので記録。そのまま抜粋。

東芝、伊の太陽光発電企業を20─30億円で買収
(トムソンロイター) 2011年03月29日 20時16分
[東京 29日 ロイター] 東芝は29日、電力送変電や電力・産業用太陽光発電所のエンジニアリングを手掛けるイタリアのアンサルドT&D社(ジェノバ市)を買収したと発表した。欧州と北アフリカにおける送変電と太陽光発電事業に本格参入するのが狙い。アンサルド社の株式67%を20億─30億円で取得した。
東芝の発表
http://www.toshiba.co.jp/about/press/2011_03/pr_j2901.htm

なおこのニュース、何故か3月31日現在イタリアの大手通信社でも報じられていない。
福島原子力発電所プラント設計を東芝や日立製作所が手掛けていることは報道などですでに
多くの人に知られていることだが、それにしてもこのニュース、タイミングが合致しすぎている。。

以前からの計画だったのか?それとも、もう原発でメシは食えないと早々に判断し「これからはクリーンな太陽光発電事業に力を入れますよ」という意思表明をするため早急に話を進めたのか。

立場上特定の企業を露骨に攻撃するような言論は避けざるを得ないのだが、、、
今から宗旨替えしようとも、上記の企業がこれまで原子力発電プラントの設計受注によって
莫大な利益を得て来たことを、日本国民は忘れてはいけません。
(というかそれ以前に、知らなかった人の方が多いんだろうな。。)

チェルノブイリを忘れるな

(この記事は2011/3/26に書かれました)

いいかげん終わりにしたいが終われない、原発&放射能ネタ。
この際ヤケクソで直球勝負なタイトル。

2011年03月今現在、これほど「被曝」「放射能」という言葉に日本国民が関心を寄せるのは、(広島/長崎原爆問題を除くと)恐らく戦後初めてのことではないか。政府やメディアがあそこまで必死に「冷静な対応」を呼びかけなくてはならないほど、実際は非常事態であることが読み取れる。

被曝の具体例については、「御用」メディアからの情報源に過ぎないが、一応記録しておく。以下yomiuri onlineのサイト記事から、一部抜粋。

被曝すると健康にはどんな影響が:被曝対策

被曝後すぐに症状が出なくても、数か月から数年以上たってから、白血病や甲状腺がんなどを発症することもある。妊娠から間もない妊婦が放射線を多く浴びると、胎児に奇形などが生じる危険性もある。

大量に浴びた場合…10日~3週間で急性症状:被曝対策

大量に放射性物質を浴びることで、影響を受けやすいのは、リンパ組織、骨髄・造血組織や、腸管などの臓器だ。被曝後10日から3週間の間に、免疫の低下で高熱やのどのはれなどの感染症状が出たり、血小板が減ることによる皮膚からの点状出血や、腸管の損傷による下痢などの症状が出たりする。被曝量が高いほど、症状が出始める時期が早くなり、症状も重くなる。いつ、どの体の部位にどのような症状が出たかは、被曝量を評価する重要な情報になる。

一昨日あたりテレビを見て気になったのが、どこかの大学教授(名前は失念)が放射能汚染について説明していた際、チェルノブイリでは汚染されたミルクを飲み続けた子供が甲状腺がんになった他には、大人からは(放射能汚染による)疾患例は報告されていない、などと発言していたことだ。その教授は、チェルノブイリ近辺で長期にわたって汚染された食物を摂取し続けた大人から(癌などの)罹患は報告されておらず、健康上何ら問題なく過ごしている、と発言した。暗に「だから心配しなくても大丈夫」と言っているようにもとれるが、矮小化もはなはだしくかつ異常な無責任ぶり、という印象だ。あの番組のあのパートだけ見た予備知識のない人は、あれがそのまま真実だと思ってしまうのではないか。

以下は私が昔、チェルノブイリ原発事故の影響について学校のセミナーで聞いた話である。
煽るつもりはない。あくまで聞いた話をそのまま書くだけである。


現場周辺においては、まず男性の精子の減少が確認されている。(先ほどの教授は、精子の量が減ったくらいだったら「健康上問題ない」と捉えるのだろうか?)

そして奇形の胎児の出産事例が確認されている。
どのような奇形だったかは、あまりにもショッキングなので、ここでは書けない。
奇形の植物の出現も確認されている。汚染された土壌からは、巨大に成長したタンポポなどが出現したとのことだ。

ゾッとするだろうが、想像してみてほしい。大地から現れた、巨大なタンポポを。
いや、普通は想像したくないだろう。世界がそんな風になることを。
それは、人が人として生きていける世界ではもはやない。

自分は奇形の胎児や植物の映像を、直接見たわけではない。
しかし私はあの時聞いた、あの話を絶対に忘れない。

国内のマスコミや専門家は無責任に「これくらいの測定量では日本ではチェルノブイリのような事態にはならない」などと発言したり、「チェルノブイリでは実際にはそれほど被害がなかった」などと平気で伝え続けるのだろう。
しかし、重篤な大人の罹患例はなかった、などとする専門家の発言やマスコミの報道を、私は信じない。自分は、絶対にチェルノブイリを忘れない。

ここで吠えてもどうにもならないことは分かっている。それでも言う。
チェルノブイリを知っている人は、思い出して欲しい。忘れないで欲しい。
知らない人は、知ろうとする気持ちを持って欲しい。

それを忘れずにいることや知ることは、あなたやあなたの家族、友人を守ることにつながるだろう。

補足:チェルノブイリ原発事故の被害、公式発表一部
緊急作業にあたった50人が死亡(IAEA調べ)
がん死者9000人と予測(WHO)
将来予想を含む事故関連死者数4000人(国連試算)


巨大タンポポの映像を見つけた。広島/中国新聞のサイトより。
↓ ↓ ↓
http://www.chugoku-np.co.jp/abom/nuclear_age/former_soviet/011216.html

追記(2011/06/01)
チェルノブイリではないが、旧ソ連による核実験が行われていた旧カザフ共和国のセミパラチンスク村でも奇形の胎児が発生している。その身体はセミパラチンスク医学アカデミーに保存されている。その地は今でも土壌汚染がひどいとのことだ。朝日ジャーナル6/5号より。

冷静と放射能汚染の間

(この記事は2011/3/25に書かれました)

そして今日も、放射能汚染の話題。放射能物質そのものも問題だが、そのニュースばかり
1日中浴びつつけること自体もよほど有害な気がしている今日この頃。しかし書かずにいられない、、、

2011年3月24日読売新聞に掲載されていた川柳が傑作だったので、そのまま引用。
「冷静に」こちらが言いたい – 国民

ナイス。クール。

例の東京都水道水問題。テレビのニュースである乳児の母親が「心配するなと言われても気になります」と話していたが、それが当然の反応だろう。そもそも摂取制限を出しておきながら「直ぐに健康に影響はないから心配するな」と呼びかけるのは、ロジックに矛盾がある。

さておき何故政府が摂取制限を出したかと言えば、チェルノブイリの再現をどうにか防ぐためだ。(それくらいの良心は残っているようだ・・・)

ここで繰り返す話でもないが、乳幼児や子供は甲状腺ホルモンが活発なため、大人よりはるかに放射性ヨウ素による被曝の影響を受けやすい。1986年のチェルノブイリ原発事故では、事故後4、5年後くらいから、隣接する地域で子供の甲状腺癌が報告され始めたとのことだ。そして2005年までに5000人ほどの子供の手術例が報告されているそうだ。(出典が正確でないのが恐縮だが、テレビのニュースでどこかの教授が言っていた)
統計には表れていないが、手術を受けられなかった子供も大勢いることだろう。
その子供達が現在どうしているか、どれほど病に苦しめられたか、現状日本のマスコミは積極的に伝えようとしない。

チェルノブイリ原発事故当時の話。放射能汚染の被害はロシアを超えヨ−ロッパの広範囲に渡った。その結果、イタリアは翌年の1987年に国民投票を経て原発廃止の決断を下した。

参考
http://romenavi.blog47.fc2.com/blog-entry-1465.html

近年はイタリアでも原発再開の計画が決定していたそうだが、福島原発の問題により1年凍結する方針となったことが22日発表された。

専門家は「日本ではチェルノブイリのような事態には絶対ならない。何故なら出荷制限や摂取制限を早い段階で行っているから」と語る傾向にあるようだ。しかし注意して欲しい。
チェルノブイリほどの被害に至らなかったとしても、「日本の一部で大気や水、土壌が放射能で汚染された」ということが、揺るぎない事実であることを。そして大気や海に漏れ出した放射性物質が、日本以外の世界に広がっていることを。だからこそ、海外のマスコミはことさら深刻な事態と受け止めているのである。

今回の問題を「深刻に受け止める」ことは、「パニックになること」とは違う。世の中の常識に照らし合わせれば、当然の反応である。それが日本の常識でないのは、日本国民の多くがこの問題に対するリテラシーが不足しているからであり、リテラシーが不足しているのは原子力エネルギーを推進する官民の情報操作によることが原因である。

「直ぐに健康に影響はない」ならば、通常存在するより何十倍もの放射性物質で汚染された世界で生きていけるのか。「問題がない」レベルであれば、放射性物質をまき散らすことが許されるのか。地球は日本だけのものではない。誰がその責任をとるのか。

例えそれで重大な病に至ったり、死に至ることがなかったとしても、あなたはその世界で生きていきたいと思うだろうか。

「冷静な」消費者として

 (この記事は2011/3/21に書かれました)

今日も続く放射能リテラシー。いい加減終わりにしたい・・・しかし書かずにいられない・・・

連日繰り返される、ヒステリックとも言える政府やマスコミ、識者からの「冷静に対応してほしい」発言。あまり繰り返すと、そこまでヒステリックに言わざるを得ない事態なんだな、大丈夫か、と逆に猜疑心を助長させるんじゃないの・・・、と心配してやりたくなる。

さておき、3月21日付け読売新聞よりほうれん草・牛乳からの放射性物質検出関連記事から、キーとなるパートをピックアップ。発表を受けて、茨城県は農協などに対し露地栽培のほうれん草の出荷自粛要請をしている。また、関東甲信越地方の大手スーパーチェーンの一部で商品を一部撤去する動きが出ている。さて気になったのが以下の箇所。

一方、入荷済みだった同県産ホウレンソウを20日現在も使用している大手ファミリーレストランもある。担当者は「国が、直ぐに影響を与えるものではなく安全だと言っているので使っている」とするが、客には知らせていないという。その上で、「撤去なんて、風評被害を広げるだけで、とんでもない。国がもっと安全性をアピールするべきだ」と話した。

「影響を与えるものではない」と判断して使っているのであれば、堂々と消費者に知らせたらどうだろう。またこの担当者は消費者から苦情が来たら、「国が安全だと言ったので」で通すつもりなんだろうか?



現在世の中で「風評被害を防げ」という声が高まっている。(ある意味ヒステリックなほど)しかし風評被害という意味をはき違えている人々もいるのではないだろうか。風評被害というのは、実際には問題のない対象が、デマや誤った情報により問題があるかのように捉えられてしまい、そこから派生する被害である。実際に放射能物質の規制値を超えている(またはその疑いがある)のであれば、出荷規制や商品撤去を行う方が常識的な判断と言える。そうでなければ何のための規制値なのか。

被害に合われた農家や酪農家の方々の不安や怒りは察する。くやしくてたまらないだろう。だからこそ、政府や専門家は声高に「直ぐに健康への影響はない」「冷静に対応して」とヒステリックに叫ぶだけでなく、生産者への補償と合わせて、徹底したモニタリングとオープンな情報開示を継続して行っていくべきだ。事態の過小評価・矮小化などもってのほかで、マイナスにしかならない。消費者がきちんと安心・納得した上で商品を購入できる方向へと導いていくことが、最終的に生産者を守ることにつながる。これは原子力エネルギーを推進し続け、また今回の事故災害を引き起こした政府と東京電力の責任である。

同新聞社説においても「摂取して直ぐに健康に影響するほどの量ではない。(略)冷静に対応しよう」と呪文のように同じ表現が繰り返されているが、これを書いた記者は規制値の27倍の放射性物質が検出されたホウレンソウを食べる事はないだろう。「冷静な」消費者として、多くの類似の発言はそういった責任をろくに引き受けもせずにされていることを、よく覚えておこう。そして以下の記述も気になった。



今回は国際機関が提案した指針を暫定的に採用したが、日本人の食生活の実体に適しているかどうかを検討し、過剰な規制も防ぎたい。

「日本人の食生活の実体に適している」規制値とは、何を基準に考えているのだろう。まさか、原発立国の日本においては、多少放射能漏れがあっても仕方ないから基準を緩めた方がいいんじゃないか、なんて言わないでしょうね・・・

最後に、同じ新聞でこういう記述が。
Q 暫定規制値にはどういう意味がある?

A 笠井篤・元日本原子力研究所研究室室長によると、放射性物質を含む牛乳や乳製品を1日1リットル、水を1日2リットル、葉もの野菜を一日100グラムなどについて、それぞれすべてを1年間毎日摂取し続けた時に、発がんなど健康に害が出る放射線量を測定したものだ。仮に1回、規制値の100倍程度の放射性物質を誤って摂取してしまったとしても、身体的な影響は表れるものではない。だからと言って、規制値を超えるものを食べて良いというわけではない。

個人的には、最後のひと言がこの世の常識に近いものだと考えている。


補足資料:各地で観測された放射性物質(3月21日付け読売新聞より)

消費者としてのリテラシー ・風評被害とは

(この記事は2011/3/20に書かれました)

みんな知っていることなので前置きはさておき、茨城県産のホウレンソウ、福島県産の原乳から規制値を超す放射性物質が検出された件。茨城、福島の農家及び酪農家の方々の不安や苦悩はお察しする。それを踏まえた上で、極力冷静かつ客観的に状況を把握すべく、例によってメディアリテラシー。元ネタは3月20日付け読売新聞。(いい加減終わりにしたいが書かずにいられない・・・)

「継続摂取しなければ問題ない」「ただちに健康へ影響を及ぼす範囲ではない」
医学分野を専門とする識者は、概ねこのような見解を示している。
以下、長瀧重信・長崎大学名誉教授(放射線影響学)のコメント。

暫定帰規制値は、少しでも超えて摂取したら必ず健康上問題が発生するというものではない。今回のレベルなら、たとえ地震発生後から毎日摂取していたとしても、大人ならほぼ問題ない。大人より影響を受けやすい子供であっても、甲状腺がんなどの危険は限りなく低い。データを注視する必要はあるが、過度に神経質になる必要はない。

同新聞内にて、「放射線の健康影響に詳しい鈴木元・国際医療福祉大学教授」もこれに追従する立場のコメントを寄せている。

この人達はあくまで自らの専門分野の立場から知りえる限りのことを話しているだけであり、問題を矮小化しようとする意図はないととらえることもできる。しかし、消費者心理というものを全く考慮していない。
いくら「大量に摂取し続けなければ問題ない」と訴えたところで規制値を超えた放射性物質が検出された事実は変わらないし、消費者は市場に出回っている生産物から何を選択するか判断する権利がある。今回の放射能問題を、農薬に置き換えてみて欲しい。「大量に摂取し続けなければ問題ない」量だからといって、規制値をはるかに超えた農薬が含まれる農産物を、あなたは積極的に購入したいと思うだろうか。つまり、例え上記の医学的根拠が信頼できるものだったとしても、市場原理にそのまま反映することは不可能なのだ。もっと平たく言えば、あのような説明では説得力が不足している、と言える。

この問題を全く別の立場から論じるとこうなる。以下、亀井利明・日本リスクマネジメント学会長の談話。

暫定規制値を超えたのであれば、出荷規制などは当然の対応。今後、生産者への補償などの問題が生じるだろうが、東京電力だけでなく、政府がリーダーシップを発揮し、対策を早期に打ち出す必要がある。風評被害が起きないよう、政府には分かりやすい情報開示と説明が求められる。

個人的には上記の見解の方が「現実的」であると感じるが、あなたはどう捉えるだろうか。なお生産者さんへの補償は当然必須、であろう。あと「分かりやすい情報開示」は「徹底した」に置き換えたい。消費者はこの問題に関して政府の動きをよりシビアに監視していくべきだろう。

補足:忘れないように記録。
今回検出された放射性物質の数値は、国内基準だけでなく、世界保健機関(WHO)と食料農業機関(FAO)の下部組織が策定した国際指標も上回っている。(3月20日付け読売新聞)



追記(2011/04/10)
冒頭の長瀧重信・長崎大学名誉教授、現在のコメント。
(暫定基準値は)基準を守ることで、将来的な発がんを極めて少なくすることができる」

「避難区域を決める際には、土壌汚染の程度などから、将来予測される被曝量とその健康への影響について明らかにし、住み慣れた土地で暮らすうえで、どのぐらいの影響なら許容できるか住民とよく話し合って決めることが重要だ。放射線の影響を受けやすい妊婦や子供にはより厳しい基準を設けることも必要になる」

最初のコメントと比べてみると明らかに論調が変わってますね。
事故の深刻さと長期化からして、「過度に神経質になる必要はない」などと悠長なことを
言ってられなくなったか?今さら遅過ぎる。

今日の放射能ニュース – 1都5県の水道水から放射性物質

(この記事は2011/03/20に書かれました)

ヤケクソの勢いで続く、福島原発事故関連&放射能ニュースリテラシーシリーズ。
(一日の時間のうちかなり、記事書く事に費やしてます。。)

とうとうこんな記事が発表された。1都5県の水道水から放射性物質、国基準下回る(確かYahoo!のニュースでしたがリンク切れになってました)
福島第一原子力発電所の事故の影響を調べている文部科学省は19日、首都圏を中心に1都5県の水道水から放射性ヨウ素やセシウムを検出したと発表した。

「いずれも国の原子力安全委員会が摂取を制限する基準値を下回っている」と書かれているが、基準値を下回っていようがなんだろうが、「原発で起きた事故の影響で放射性物質が漏洩し、首都圏の水道水からも検出された」という事実は揺るぎようがないのである。どうせまた「健康にただちに影響がでるレベルではないので冷静に対応してほしい」と呼びかけるのだろうが、この事実を忘れてはいけない。「影響がでるレベルでなければ放射性物質が水道水から検出されても問題ない」というロジックは成り立たないはずだ。また、基準値を策定しているのが結局国の機関であるということも気をつけるべきだ。

yahoo!などの大手サイトにはご丁寧にこんなリンクがはられているが。。。
(あえて誘導しているのか・・・)
放射線Q&A — 放射線安全研究センター

福島原子力発電所の事故に伴う放射線の人体影響に関する質問窓口 (Q&A)
※テンポラリページかもしれないので将来デッドリンクになる可能性あり。

上記を注意深く読むと、極力放射能の影響のマイナス面を避けて記述しているのが読み取れる。
以下、一部抜粋。

Q14 仮に事故が拡大して放射線の影響がチェルノブイリ級まで広がった場合、大阪や東京での生活に影響はありますか?

A:3月15日頃から東京でも放射線レベルの上昇が見られていますが、新聞報道等にもあるとおり、それによる被ばく線量は少なく、健康への影響はありません。外出を控える必要もありません。問題は、事故が進展してさらに深刻な事態になった場合にどうなるかです。今後の展開は全く予測できませんので、ある程度極端な状況を想定して、過去の事例から学ぶしかありません。このような観点からはっきりしているのは、これまでの原子力事故において、一般住民の間で、白血球が減る、髪の毛が抜けるといった急性症状は観察されていないということです。史上最悪と言われたチェルノブイリの事故でも、一般住民に確認されている放射線影響は、高濃度に汚染した地域における子どもの甲状腺がんだけです。それも、事故の後、放射性ヨウ素で汚染した牛乳を飲み続けたことが主な原因と言われています。当初、旧ソビエトが事故の存在を認めず、早い段階での避難や食品の摂取制限等が適切に行われなかったのです。したがって、これまでの原子力事故の経験に照らし合わせる限り、東京が人の住めないような場所になるとは考えにくい状況です。むしろ、人々がパニックに陥って西へ移動し始めた場合の混乱の方が懸念されます。大阪に関しては、どのような状況を想定したとしても全く問題ありません。(回答日:平成23年3月18日)

さらりと読み流さないで注意深く読んでもらいたい。例えば自分がちょっと気になった箇所をあげてみるだけでも・・・

これまでの原子力事故において、一般住民の間で、白血球が減る、髪の毛が抜けるといった急性症状は観察されていないということです。

放射能物質が漏洩しても急性症状がでなければ問題ないというロジックが成り立つわけではないことに注意。

史上最悪と言われたチェルノブイリの事故でも、一般住民に確認されている放射線影響は、高濃度に汚染した地域における子どもの甲状腺がんだけです。

私自身が正確な統計データを知っているわけではないので、これが嘘だなどと断言はできないが、問題を矮小化しようとしている意図をどうしたって感じてしまう。例え上記の情報が正確だとしても、「子どもの甲状腺がんだけです」などと軽々しく過小評価していいわけがない。6000人もの犠牲者が発生しているのに。人の命を何だと思っているのか、、、

原子力エネルギーを推進したり安全性をPRする機関が(例えそれが公的機関であっても)放射能の影響や原子力の説明をする際に、マイナス面を極力抑えた表現にするのは当然と言える。公的機関や専門機関だからといって情報が正確/中立的とは限らないことを肝に命じておこう。たとえデータが正確だとしても、それに添える解釈によって受け取る側の印象は大きく変わる。データそのものは改ざんされていないとしても、「科学的に立証されたデータ」「統計的に正確なデータ」なんていくらでも発信者の意図によって歪曲化して伝えることが可能、ということを忘れてはいけない。

特にこと今回の問題に関しては、与えられた情報や誘導された情報を鵜呑みにせず、情報の発信者が「伝えようとしていること/伝えたくないこと」を注意深く読み取り、それが信頼に値する情報かどうか、自分の力で冷静に判断して欲しい。例えば、その記事のセンテンスを注意深く読んで「ロジックが成り立っているかどうか」を読み取ってみよう。(ここでいう「ロジック」の意味がわからない人はこれ以上読まないでください・・・)

私の判断するかぎり、これまでの東電や政府の発表、日本のマスコミの一部の報道の多くは「ロジックが成り立っていない」。もちろん、海外の報道なら信頼できるかといえば、そうとは限らない。が、海外の報道記事を読んでいて感じるのはおおむね「ロジックが成り立っている」ことである。ロジックが成り立っていればその報道が真実であるとは言わないが、少なくともその記事において、何かを隠蔽することなく知りえる限りの事実を伝えようとしているか、可能な限り客観的な分析を行おうとしているか、の判断材料にはなる。

何度もしつこく書いているように、私自身は問題に対する「解答」を持っていない。私にできることは、事態を矮小化した大マスコミの記事も、人々をパニック状態に陥いらせるようなネット上のデマも鵜呑みにせず、極力中立/客観的な情報を入手し、自らの力で現状を把握/分析するようにして欲しいと声を枯らして吠え続けることだけである。私たちにはそれができるはずである。私たちは従順な羊ではなく、人間なのだから。

追記(2011/03/24)
チェルノブイリ原発事故当時の話。チェルノブイリの被害はロシアを超えヨ−ロッパの広範囲に渡り、その結果イタリアは国民投票を経て原発廃止の決断をした。

参考
http://romenavi.blog47.fc2.com/blog-entry-1465.html

近年はイタリアでも原発再開の計画が決定していたそうだが、福島原発の問題により1年凍結する方針となったことが22日発表された。





核リテラシー発展途上な日本の原子力問題

 (この記事は2011/3/19に書かれました)

単語 literacy(リテラシー)の本来の意味は「識字能力、読み書きができること」で、次に「教養があること」だが、何かに精通している、使いこなす能力がある、ある対象について的確に理解/分析する能力がある、という意味合いでも利用できる。例えばITリテラシーなら、ITについて的確な知識を持っていること、ITの利用に精通していること、となる。

欧米ではmedia literacy(メディアリテラシー)教育を小・中学生から実施しているというのを、大分前に知った。氾濫するマスメディアの情報から、書かれている内容をどう読み取るべきか、また的確な情報を取捨選択し、どれが正しくてどれが誤っているか、自らの力で判断できるようにするための教育である。こういった教育が行われているのは、それが生きていく上で重要なことである、という社会的なコンセンサスがあるからだろう。

これに対して日本ではどうかというと、言うまでもなく悲惨かつお粗末な現状である。
自分は今回の原子力災害に関連して、日本人の多くがこの問題についてこれまでまともに向き合おうとしてこなかったこと、マスコミや東京電力の広報が垂れ流す「原子力は安全です」というメッセージの内容をろくに深く考えもせず、羊のように従順に受け入れてきたこと、あるいは受け入れるも何も原子力という存在の意味も知らずにきたこと、知ろうともしなかったことが、原発事故そのもの同様に恐ろしいと考えている。

「知らないこと」より、「知ろうとしないこと」の方が始末が悪いのだ。
こんな非常事態が起きていてもなお、多くの一般的な日本人は、この問題について何も知ろうとしない。
以下、買い出しにでかけた都内某所のデパートで聞いた(トイレットペーパーGETした、、、)、
互いに若干高齢な婦人2名の会話。

「放射能とか気にされます?」
「いえ、全然。(!!)あまり騒ぐのもよくないと思うんですよねぇ。
よっぽど大量に飛んで来たら気をつけようかと思ってますけど・・・」
「そうですよねぇ。大げさに騒ぎすぎてもねぇ」

大量に飛んで来たらって、スギ花粉とか黄砂じゃないんだから・・・
となりで空恐ろしさと虚しさを覚えつつ溜息をつく自分がいた・・・

そして、1999年東海村、JOC核燃料再生施設で臨界爆発事故が起きたとき。
アルバイト先のオバチャンは、被曝した作業員について「でも意識はあるみたいよ」と、問題の大きさにまるで気付くこともなく軽く言った。

こう言ってはなんだが、このレベルの人達には放射能汚染がどういうものかなどと、説明しても仕方がないだろう。基礎的なリテラシーがまるごと欠如しているからだ。哀しいことだが、これが現在の平均的日本人の原子力/放射能におけるリテラシーレベルだ。これは、東電や政府が原子力のマイナス面/問題点を覆い隠し、耳辺りがよくどうにでもとれる広告や報道でごまかし続けてきた結果である。

あの事故について知らない人は、調べればいくらでも出てくるので別途調べてもらうとして、大量に被曝して最終的に死亡した作業員のひとりは、全身焼けただれた状態で病院に搬送された。あまりの惨状にショックを受けた看護師から、それでも「大丈夫ですよ、がんばりましょう」と声をかけられた際、不安そうに「私はどうなるんでしょうか?」と聞いたそうだ。

週刊文春か週刊新潮か、その辺りで読んだ。これがどこまで真実に近いのかは分からない。ただし、大量に被曝した患者の様子としては上記のようなシチュエーションは十分リアリティがあるものと言える。
多くの人はそんな悲惨な話は聞きたくないだろうが、「リアル」を知らなければ、本来進むべき道や取るべき行動も、判断しようがない。

災害を引き起こした作業員は原子力や放射能についてあまりに無知であった。その事故のニュースを聞いた多くの一般的な日本人もしかり、である。今現在も、その状況は殆ど変わらない。しかし、私たちは羊ではなく、人間なのである。羊は与えられた草を従順に食べるだけかもしれないが、人間であれば、それが食べていいものかどうか判断するだけの脳みそを持っているはずだ。今、これを読んでいるあなたも。

参考
東京電力が発表した放射線の計測値を、環境エネルギー政策研究所という市民団体が独自にグラフ化し、公表しているとのこと。
ISEP 環境エネルギー政策研究所

同日追記。とうとうこんな事態になった・・・
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110319-00000556-yom-sociより抜粋。

福島第一原発から約47キロ離れた酪農家が16〜18日に生産した原乳から最高で1510ベクレルと、規制値の約5倍にあたる放射性ヨウ素が検出された。
茨城県では高萩市、日立市、常陸太田市、大子町、東海村、ひたちなか市の農家のホウレンソウから最大で規制値の7・5倍の1万5020ベクレルの放射性ヨウ素が検出された。高萩市のホウレンソウからは、規制値を超える放射性セシウムも検出されている。

それから3月19日付けの読売新聞全般で、日本政府の原発問題における情報開示のあり方に、海外から疑問の声が高まっている、日本政府は情報開示をもっとオープンにし、正確な情報を発信するよう努めなければならない、という論調が目立った。一見政府の対応を批判しているようにとれるが、実体はそんなに単純ではない。

先の論調は、あくまで個人的観測であるが、「情報をオープンにする姿勢を見せることで国民を安心させ、反原発派の論調が活発になるのを防いだ方がいい」という主旨が見え隠れしているからだ。平たくいうと、「ちょっと先生、このままだと日本の原発が海外で疑問視されていることに気がついた一部の国民なんかが騒ぎ出して、マズいことになりますよ。不利なデータかもしれないですけど、一応オープンにする姿勢を見せて国民を大人しくさせた方が賢明ですよ」という感じに婉曲的にアドバイスしているようにもとれる。

これだけの惨事を引き起こしてもなお、大マスコミが「原子力エネルギー推進ありき」の姿勢でいることにかわりないのである。そもそも、東京電力が大事なスポンサーである大マスコミが正面きって原子力政策を批判すること自体、まずありえないわけだが・・・

今日の放射能メディアリテラシー

(この記事は2011/3/19に書かれました)

怒濤のいきおいで続く原発/放射能リテラシー。書かずにいられないんですよ。

すべて2011年3月18日付けの読売新聞より、一部抜粋したもの。
まずは日本アイソトープ協会 佐々木康人常務理事の談話「過度に心配せずに」より。

避難地域や屋内退避地域の住民には、必要以上に不安がることはないということを理解してほしい。一般の人が自然界以外から浴びる放射線量は年間1ミリシーベルト(1000マイクロシーベルト)以下が望ましいが、少し超えたからといってすぐに健康が危険にさらされるものではない。(略)過信は禁物だが、これらの数値と冷静に向き合い、避難生活を送ってほしい。

例によって繰り返される「すぐに健康が危険にさらされるものではない」発言。
放射線医学/核医学の専門家の言うことが、この無責任/無神経さである。
あなたこそ避難生活を強いられている住民の、極限にせまる不安を理解しろ、と言いたい。
というか、そこまで言うなら福島原子力発電所半径20km地点に行ってみろ。

全ロシア原子力エネルギー工業研究所、イーゴリ・オストエレツォフ元研究員の談話。
1986年チェルノブイリ原発事故の際に消火活動に参加した。

チェルブイリでは最初の爆発後は基本的に事態は拡大しなかったのに対し、福島では時間を追って危機が広がっている。土壌と地下水の放射能汚染の危険性は高く、最終的には、チェルノブイリと同様、原発を石棺のような建造物で覆う必要が出てくると思う。

「基本的に事態は拡大しなかった」というのは事故のインパクトそのものを指しているのであって、放射能汚染の問題はまた別、ととらえるべきですね。サラッと書いてあるけど、ちょっと気になったので。そして重要なのが、「土壌と地下水の放射能汚染の危険性」。これが、日本のマスコミがまず伝えようとしないことだ。

数日前に、20km地点の水道水からすでに微量の放射性物質が確認されたというニュースを確か聞いたが、大きなニュースにはならなかった。「大きなニュースにしたくない」というマスメディアの意図があるからだろう。放射性物質は、スギ花粉とは違う。もしそれが大気に乗って太平洋沖合に飛んでいったとしてもー。それはすなわち、海が放射能で汚染されることを意味する。こんな嫌なことは書きたくないが、あなたは放射能で汚染された海で採れた魚や、汚染された土壌で育った野菜を食べたいと思いますか?それによって健康にどのような影響が出るか、想像したことがありますか?政府や東電は、このようなことが予想される事態であることを、どうにか覆い隠そうとしているのである。日本国民もバカにされたもんだな。。

日本国民は「ただちに健康へ影響がでるレベルではない」と繰り返される発言の裏側を直視するべきだ。放射線を一定量以上浴びたり放射能に汚染された物質を体内に取り込めば、例えただちに影響が出なかったとしても、後発的にガンや白血病など、何らかの疾患を誘発する可能性があるのは、まぎれもない事実なのだ。

そして最後。「放射性物質 影響は がん招く『ヨウ素131』」
少し長いが重要なので全部引用する。

使用済み核燃料の中には、毒性の強い「プルトニウム239」や「ヨウ素131」「セシウム137」「クリプトン85」「キセノン133」などの放射性物質が含まれている。「ヨウ素131」は、大量に人体に入るとのどに蓄積されて放射線を出し、被曝による甲状腺癌になる可能性がある。また「セシウム137」は放射線の強さが半分になる期間が30年と長い。長期間にわたって環境中に放射線を出したり、農作物や飲料水を通じて体内に取り込まれたりして、深刻な影響を及ぼす。気体の「クリプトン85」や「キセノン133」は吸い込んでも体内に残らないので、人体への影響はあまり強くないとされる。安斎育郎・立命館大学名誉教授(放射線防護学)は「放射性物質は風に乗って帯状に広がるので、遠い場所でも安心できない。居住地の近くで日常の100倍レベルの放射線が計測されたら、念のため外出を見合わせるなど注意してほしい」と話す。

鵜呑みにするわけではないが、避難地域の住民に「必要以上に不安がることはない」等と言う誰かの発言より、この人の発言の方が明らかに常識レベルに近い、と自分は捉える。

チェルノブイリ原発事故の後、放射能に汚染された草を食べた牛のミルクを飲んだ多くの子供が、甲状腺癌になった。その数は6000人ほどとされているが、統計に現れない被害もあるに違いない。

あの原発事故の被害は広範囲に渡り、国境を超えた地域ですら多くの子供が犠牲者となった。昔テレビのドキュメンタリー番組で見たのだが、(この記事を読むと、その番組は2006年4月16日(日) 午後9時から9時49分にNHKで放映された「汚された大地で〜チェルノブイリ 20年後の真実〜」の可能性がある)チェルノブイリ原発事故の影響で白血病や癌にかかった子供が暮らす施設が、ルーマニアにある(あった?)。あの時テレビの画面で見た、薄暗い部屋に佇んでいた頭髪がすっかり抜け落ちやせ細った少女は、恐らく今現在この世にいないだろう。「あの少女のために自分に何かできることはないか」と一瞬思ったものの、何もしないまま月日が過ぎて今に至ってしまった。

だから何、と言われるかもしれないが、これを書くのは自分の義務だと思っている。放射能で汚染された世界というのがどんなものなのか、その片鱗だけでも、一人でも多くの誰かに伝えておきたいのだ。

生きているうちに。

放射能リテラシーの重要性

(この記事は2011/3/17に書かれました)

、、、仕事が手につかん、、、
そして今日も、地震に揺れつつ原発ネタ。

今日本中で多くの人が、放射能汚染の実体について知りたいと思っているだろう。もちろん自分は放射能の専門家ではないので「これこれこうなんだよ」なんてことは言えない。しかし、花粉症対策と同じようにしていれば問題ない、などという「専門家」の無責任な発言に惑わされないようにしてくれ、と書くことくらいはできる。無責任なのか隠蔽体質なのかは不明だが、スギ花粉と原爆の原料である放射性物質を同系列に語るその神経に空恐ろしさを覚える。

 「190ミリシーベルトはニューヨークー東京間を飛行機で往復したときに浴びる量と同程度」などという、いかにも日常生活に近い例えを持ち出して安心させようとするような態度にも、惑わされないで欲しい。例えそれが科学的に裏付けされた事実(に近いもの)であったとしても、通常の大気中では確認されないような多くの放射能が検出された、という事実が変わるわけではない。これらの表現には、日常生活に密着した例えを出して問題を過小評価、もしくはすり替えようとする姿勢が垣間見える。そもそも何故そのような事態になってなっているのかを考えさせないようにしている、ともとれる。東京電力も政府も、日本国民に放射能汚染の実体や危険性など知って欲しくないのだ。それでも、私たちはあらゆる手段を使って事実に近いと判断できる情報を集め、分析し、判断することができる。ちゃんと脳みそを使えば。それがリテラシーの本質だ。

ちなみにさっき「とりあえずマスクしてみました」なんて書いてるブログを見つけてゲンナリした。ニワトリじゃないんだから、少しは頭を使え。
(本来、こういう乱暴な表現はしたくないが、今さら気を使っていられない。今日本が沈没するか否かの瀬戸際だと、自分本気で思ってるから)

原発や放射能については、もう少しばかりは自分の知っている範囲のことくらい書きたいが、もう寝たいのでまた別途。

原子力リテラシー

(この記事は2011/3/16に書かれました)

しつこく福島原発ネタ。生きるか死ぬかの瀬戸際だ。
今日も福島原発及びその遠方でも高濃度の放射線が確認された。


以下、http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110316/k10014724001000.htmlより抜粋。

福島県では県内の7か所で放射線の計測をしており、このうち原発から北西に65キロほど離れた福島市では16日午前0時に1時間当たり21.4マイクロシーベルトと通常の530倍余りの放射線を計測しました。また、原発から南におよそ70キロ離れた茨城県の北茨城市では、16日午前11時40分ごろ、通常のおよそ300倍となる1時間当たり15.8マイクロシーベルトを計測しました。これらの数値の放射線を1時間浴びたとしても、胃のX線検診で受ける放射線量のおよそ30分の1から40分の1で、健康に影響が出るレベルではないということです。

あらゆる報道で繰り返される「健康に影響が出るレベルではない」という表現。
健康に影響が出るレベルでなければ通常の530倍の放射能が飛散しても問題ないということにはならないはずだ。惑わされてはいけない。

原発報道の問題点は、1. 事故そのものの隠蔽/過小評価と、2. 人体への被害の過小評価(言い換えると「健康へは大した影響ははない」と報道することによる問題の置き換え)、
そして 3. 環境への影響に関する言及が全くされていないことだ。テレビ、新聞、ネットニュース、どれに接してもこの最後の3.の問題には全く触れられていない。意図的に言及していないと思われるが。当然、言及しないのには理由がある。

何かの縁でこのページにアクセスしてくれた全ての人に言いたい。
耳辺りのいい報道の裏に何が潜んでいるか、自分の力でよく考えて欲しい。

一応「専門家」という立場の人間が「花粉症と同じ対策を心がければよい」などと軽々しくマスコミで発言しているのを聞くと目眩がする。新聞に、やはり原子力の専門家の「チェルノブイリの事故では科学的にはそれほど多くの被害者は出ていない」などという発言が掲載されており、これにも「よくもそんなことが」と、怒り心頭である。




ここでは詳しいことは書かないが、(書くべきなんだろうけどね、寝れなくなるから。機会があればまた別途)福島の事故の影響を本気で知りたかったら、チェルノブイリ原発事故のインパクトを詳しく調べてください。それは、「放射能というものが何であるか」という理解に直結する。放射能は、核エネルギーと同等の存在であるという事実を忘れてはいけない。今さらここに書くまでもないことだが、広島/長崎に投下された原爆も、原子力発電所の電気エネルギーも、元は同じ核エネルギーによって作られているというのはまぎれもない事実である。自分は、日本人の大半はそんなことも知らないで今まで生きてきていると予想しているが。

本来は深い学習が必要なことではあるが、放射能については以下のリンクに目を通すだけでも、「プチ理解」くらいならできるだろう。(ウォールストリートジャーナルの日本語記事より)
炉心溶融で漏出する物質―危険なのはヨウ素、ストロンチウム

海外から来たNGOの職員などは、原発事故に関して日本政府の発表は信頼できないのでもっぱらBBCやCNNなど海外筋から情報収集して判断しているとのことだ。英語が出来なくても、翻訳ツールでも使えば最低限の主旨くらいは理解できるはずなので、関心がある人は、というか、生きたい人は海外記事にも目を通しましょう。

原発事故について知りたくてたまたまこのページにアクセスしてきた人へ。
一個人である自分はこの事故や放射能の影響について明確な答えは持ち合わせていない。
ただ、これだけはこれだけは言っておく。安易に解答を求めることなく、自らの力で情報を分析し、知性を駆使して冷静に状況を判断して欲しい。

あなたのその知性が、大きな一歩になるかもしれない。

しつこくメディアリテラシー

(この記事は2011/3/15に書かれました)

原発ネタ続き。

福島原発から110km離れた茨城でも、通常の値を相当量超える放射線が確認された。
以下によると、茨城県東海村・東京大学の施設において、通常放射線量0.05マイクロシーベルトのところ、3月15日朝には5マイクロシーベルトが観測されたとのことだ。100倍だ。・・・放射能は風によってここまで運ばれるのである。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110315/t10014679121000.html

もっと怖いのが以下のニュース。
「3号機核燃料プール 覆いなし」って、、、
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110315/t10014678661000.html

3号機で14日の爆発により原子炉家屋の屋根がふきとんだため、プールの上を覆うものがない状態であり、建物上部に蒸気のようなものが漂っていることが観測されている。これについて東電は「現時点では明確な答えはできない」としか言っていない。そうとしか言えないだろう。「真実」はとても話せる内容ではないのだ、と捉えておいた方がいい。この「建物上部の蒸気のようなもの」が風に乗って遠くに運ばれたらー。

事故による被害そのものも恐ろしいが、一番恐ろしいのは、どうにでもとれる
曖昧な発表を繰り返し、事故や災害の実体をあくまで覆い隠そうとする日本の原子力産業の体質そのものだと思う。例えば「人体に即座に影響がある値ではない」と繰り返されている発表は、裏を返せば「後発的に影響が出る恐れがある」とも捉えられるし、「即座には影響はでないが、長期的な影響が発生する可能性がある」ということかもしれないのだ。

煽る内容を書くつもりは一切ない。これくらいのことは、常識的程度の放射能に関する知識があれば読み解けることだ。2番目に恐ろしいのが、日本人の多くが、放射能に関する常識程度の知識も、関心ももっていないことである。自分はあくまで既存の報道から数少ない予備知識を照らし合わせて、表面に登場する文字の裏をどうにか読み解こうとすることしかできない。明確な答えや真実に近い答えを、自分が導けるわけでもない。多くの人が今回の原発災害を受けて、ネット上に答えを求めようとするだろう。しかし重要なのは、他人が与えてくれる安易な結論などではなく、自ら情報を分析し、状況を把握する力である。

やたらと固いもの言いになってしまったが、この非常事態に余計なことに気をつかっていられない。この問題に真剣に関心を持っている人が、このページにアクセスしてくれることを心から願う。

たまにはメディアリテラシー 「原発輸出に影」?

(この記事は2011/03/14に書かれました)

東北地震後、週明け。こんな非常事態時にこそ、冷静なメディアリテラシーが重要になる。

これを書いている今現在、福島原子炉3号機にて海水注入作業が行われているが水位が上がらず、予断を許さない状況である。それ以前のプロセスを見ても対応は後手後手、報道発表は不透明と、人命の安全が後回しにされているとしか思えない、最悪の状況である。3月13日付け読売新聞の報道一部では、対応が後手に回ったことに関連し、以下の見解が書かれている。
(一部抜粋)


(略)
政府が、新興国など海外市場へのインフラ(社会基盤)輸出を成長戦略の柱に据え、世界有数の技術力を誇る原発建設を重視していることが影響し、「廃炉覚悟の対応にためらいがあったのではないか」との見方も一部にある。

これが事実だとしたらとんでもない話ではあるが、そうだとしても驚くことではない。
同じ日付の同じ新聞で、「インフラ輸出 原発受注に影」というタイトルの記事がある。




メーカーと電力会社は高い技術と安全性をアピールしながら、官民一体となってアジアや中東など新興国での原発受注を目指してきただけに、大量の放射能漏れなど深刻な被害が出れば、日本の原発技術に対する信頼を失いかねない。

今回の地震はトルコ向け原発受注に影を落としそうだ。

などと書かれており、最後に「今後の受注に対する影響が懸念される」と結んでいる。この期におよんでマスコミは「原発は安全なものである」という前提にたって記事を書いていおり、その全体像は原発受注に影響が出そうなことを懸念している内容である。矛盾もはなはだしいが(官にぶらさがっている)大マスコミはこのようにしか書けないだろう。何故なら日本において原発事業はまさに「官民一体となって」推進が進められてきたことであり、その理由は、それが莫大な経済効果をもたらす存在だからである。

空恐ろしいことだが、これまで日本人の8割方は、原子力発電所の実体も放射能汚染の恐ろしさも知らずにいたと思われるし、今だってそうだろう。東京電力も国も、そんなことを国民に知って欲しくないのである。だからこれまで、原子力発電のマイナス面を覆い隠すような報道/広告を繰り返してきた。今現在も、東京電力や政府は事態を矮小化した発表を繰り返しているだけだと、自分は思っている。(「矮小化」の意味が分からない人は別途調べてくれ・・・)

国内の報道だけに頼っていると、耳当たりのいい情報や矮小化された情報しか入ってこない。海外の報道記事も追う必要がある。それが真実かどうかというのは別としても、外側からの視点に接することは、状況の分析に役立つ。

この記事をどれだけ理解/共感する人がいるかわからない。いないかもしれない。
それでも、これを書くのは自分の義務だと思っている。

追記 (2011/04/14)
一ヶ月後の現在。本日付けの読売新聞で、東京電力は国内の復旧に予算と注力を注ぐため、
海外への原発展開を当面凍結するという発表を行った。、、、今頃決めた???かつ「日本の原発技術に対する信頼を失いかねない」なんて間抜けなことが書かれていたが、現在の状況はみなさんご存知の通り・・・

2011年8月13日土曜日

関東及び静岡の茶葉放射能線量データ

なんとも哀しい世の中になったもんだ。「このお茶セシウム入ってないよね」などと気にしながら日本茶を飲むなんて。いや、当分飲まないけどね。

静岡県知事が最初からいさぎよく検査を受ける意向を示していれば、消費者の反感を買うこともなかっただろうに。言いたいことはいろいろあるが、寝れなくなるので取り急ぎデータの記録だけでも。以下は6/3付けの読売新聞より、関東地方の茶葉セシウム検出量。・・・結構な値です・・・






そして渦中の静岡は。生茶のセシウム検出量が大体100ベクレルちょいくらい。荒茶にすると約5倍になって500ベクレルに達するから、知事はやっきになって検査しないとゴネていたわけだ。二番茶以降は独自に検査を実施することにしたが、「一番茶の荒茶はすでにブレンドして製品化され、検査が難しい」と。つまり一番茶出荷まではどうにか逃げ切ってやろうという目論みだった。なんてひと。。。

以下静岡県ホームページにて独自検査のデータを見ることができるが、いつまで見れるのか
分からないので採取した画像データを貼っておく。
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-340/cha-housyanoukekka_h23.html



(2011年6月3日閲覧データ)

いくら飲料にすれば薄まるからって。「これ一杯で何ベクレルなんだろう」と考えながら飲むお茶が、美味しいだろうか。数千ベクレルの放射性物質を含む食品が市場に出回ることが、倫理的に許されるか。利権を守ることだけ考えてると、この程度のことも見えなくなるんだろうか。

川勝平太知事のやったことは、消費者はもちろん、本来誠実なはずの静岡県の生産者(もいるよね?)を、守るどころか踏みにじる結果になっただけである。

追記(2011/06/04)
飲料メーカー伊藤園の広報によれば。
「現在、出荷されている茶飲料の原料は去年収穫されたもので、新茶を原料にした製品が出回るのは、2、3ヶ月後」だそうだ。この問題についてはどうもぼやけた説明の伊藤園だが、「香りひろがるお茶」40袋入りという商品の茶葉原料はオーストラリア産だ!!もうこれでいこう。この先、日本茶はずっとこれでいい。オーストラリア茶か。どっちでもいいよ。セシウム入ってなければ。

放射能備忘録(2011年8月)

福島原発事故と広島原爆のセシウム放出量 (2011/08/27)
福島放出セシウムは広島原爆の168倍相当。経済産業原子力安全・保安院26日発表、朝日新聞より。

島根で福島牛購入農家の堆肥からセシウム (2011/08/21)
福島県内の牛を5,6月に購入した島根県の農家のうち2戸の堆肥から放射性セシウム検出。今月11日には買い取られた牛77頭のうち64頭は汚染わらを与えられていなかったとして県に出荷を認める通知をしている。

新潟県の牛ふん堆肥からセシウム (2011/08/14)
 新潟県は13日、放射性セシウムに汚染された宮城県産の稲わらを牛に与えていた可能性がある農場9ヶ所で作られた牛ふんの堆肥から、基準値を超えるセシウムが検出されたことを発表。国の基準値は現在のところ1キロあたり400ベクレル。最も高い値は3760ベクレルだた。県は名農場に牛のふんや尿、堆肥を移動させないよう求めた。同日朝日新聞より。

陸前高田の薪(2011/08/13)
薪の表皮から1キロあたり1130ベクレルの放射性セシウム検出、京都市は送り火での使用中止を発表。これに対し、山崎秀雄・近畿大学教授は「薪全体の濃度は相当低いはずで、燃やして二次汚染が問題になる量ではない」内海博司・京都大学名誉教授(放射線生物学)は検出された放射性物質の量なら健康には影響しない」「送り火の意味を踏まえ、検出されたが実行すると言って欲しかった」と述べた。同日朝日新聞より。That's totally crazy....「微量かどうかが問題ではなく、とにかく検出されないことが前提だった」とした京都市長の判断の方が、よほど常識にそったものといえる。相変わらず「風評被害を助長する」との声もあるが、根拠のないうわさは風評と言えるが、一定の根拠がある場合は風評とは呼ばない。

郡山の水田 セシウム深さ15cmまで浸透 (2011/08/13)
東京大学と福島県農業総合センターの研究によると、福島県郡山市の水田で、放射性セシウムの88%が深さ3センチまで、96%は5センチまでに留まっていたが、深さ15センチでもごく微量が検出された。5月下旬調査。また、セシウムが溶けた水がふかいところに移動する速度は水の千分の1程度と考えられていたが、実際には10分の1程度と、予想を上回っていた。同日朝日新聞より。

2011年8月9日火曜日

放射能備忘録(2011年7月)

トルコ原発、東電撤退(2011/07/30)
日本が受注を目指しているトルコの原発建設計画から東京電力が撤退することになった。政府、東芝ともに中心的な役割だったが、福島第一原発事故を起こし、参加できる状況ではなくなったからだ。東電の松本純一原子力・立地本部長代理、27日の記者会見発表。官民で受注したベトナム向け原発事業も「協力はしたい」と述べるにとどめた。これ、7/29日付けの朝日新聞にものすごーく目立たないような扱いで書かれてた。

東電、豪のLNG購入(2011/07/28)
東京電力は27日、豪州北西部でガス田を開発している米石油大手シェブロンなどとの間で、2017年度から20年間にわたり年間約310万トンの液化天然ガス(LNG)を購入する契約を結んだことを発表。LNGの長期購入契約は計2283万トン。(7/28付け朝日新聞より)

武田邦彦氏のブログより(2011/07/23)
http://takedanet.com/2011/07/post_fbd4.html

自民党の議員への個人献金の実に72%が電力会社役員かOBから提供され、一議員への献金額は平均して実に4700万円というニュースが流れました。72%?!

脱原発掲げ弁護団結成(2011/07/18)
全国の弁護士約100人が16日、「脱原発弁護団全国連絡会」を結成。これまでの原発運転停止を求める訴訟の経験を共有し、今後の訴訟に生かす。連絡会代表の河合弘之弁護士は「原発はもはや絶対に容認できない」との声明を発表した。

汚染牛乳意図的な混入?(2011/07/17)
4/9日の記事。知るのが遅すぎた。なんじゃこりゃ。


原乳の放射性物質、基準値下回る 福島
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110409/dst11040900040000-n1.htm

県によると、今回から検査方法を改め、前回(3月29日)に暫定基準値を下回った市町村の原乳は戸別検査をせず、県内10の乳業メーカーなどが、他の市町村産と混ぜた後の原乳で測定した。


汚染された牛乳を他県の牛乳と混ぜて基準値を下回らせてから出荷してるってこと。言葉も出ない。いや、「恥を知れ」という言葉はこういう時に使う。

「福島の野菜を食べる会」って・・・(2011/07/17)
福島の野菜を食べる会。代表 川村研治。牛肉セシウム汚染つながりで、こんなんあるのを知った。かんべんしてくれ。やめてくれ。

岩手海底土からセシウム(2011/07/09)
8日、岩手、宮城県の海底土から1キロあたり24~1380ベクレルの放射性セシウム検出が発表された。2009年の文部科学省の調査では宮城県置きの海底土セシウム濃度は1キロあたり1.5ベクレル以下だった。なお、現在海底土の放射性物質の基準はない。


放射能備忘録(2011年6月)

東京の土壌でも高い放射線量(2011/06/04)
わりと最近、いくつかのモニタリング結果を見て東京都内にもホットスポットが存在することを知ったが、以下を見るとやはり。。暑くなったがマスクはまだ手放せないか。
東京、一部で高濃度 土壌セシウム、茨城超す[朝日新聞]と豊洲について

茨城県鹿嶋市 学校給食を地産地消に逆戻し!?(2011/06/04)
以下のコネタを数日前に書いた。
茨城県鹿嶋市 学校給食に県内産使用せず(2011/05/28)
茨城県鹿嶋市教育委員会が学校給食に県内産食材の使用を見送っていることが分かった。保護者からの要望を受けたもので、当然の措置。御用新聞はお決まりの「風評被害を助長する」とするJAや農業関係者の声を載せているが、それはいいがかり。

しかし、以下によると直後に一転地産地消(県内食材使用)に逆戻ししたらしい。ひどすぎ。
http://savechild.net/archives/1613.html

首都圏の低線量被曝(2011/06/04)
東京や千葉、神奈川でも子供が身体の不調を訴える事象が増えている模様。以下の記事読むと怖いが、現実を知ることが大事。コメント欄の書き込みにも要注目。
警告:東京など首都圏で低線量被曝の症状が子どもたちにおきているという情報

横浜市 校庭・給食材料放射線量測定へ(2011/06/02)
横浜市は小中学校の校庭や給食の食材について放射線量の測定を開始することを発表。保護者の不安の高まりを受けたもの。結果は市のホームページで公表。横浜市は現在、福島県産の野菜を数種類給食に使用している。

荒茶検査 生産者の反応(2011/06/02)
国が荒茶についても暫定規制値を適用する方針を固めたことを受け、茶生産農家の反応。(6/2付け読売新聞より)「あまりに実態とかけ離れている。飲む時にはセシウムの値は大幅に下がるのだから納得できない」とする意見。あなたの捉え方は消費者の心とあまりにかけ離れています。「基準が厳しい方が、消費者のお茶離れを避けられる。長い目でみればよいのかもしれない」と言う人もいる。あなたに賛成票。

茨城県産ホウレンソウ出荷制限解除(2011/06/02)
茨城県北茨城市と高萩市のほうれん草について、3週間続けて暫定規制値を下回ったことから、出荷制限が解除された。「出荷制限が解除されている 」イコール 「放射能汚染が全くない」という意味ではないので注意。

福島のウメ 規制値超え(2011/06/02)
福島県内で、5/30採取のウメから基準値を超える放射性セシウム検出。福島市1kgあたり690ベクレル、桑折町で610ベクレル。

放射能備忘録(2011年5月)

放射性廃棄物の処理は(2011/05/30)
放射性廃棄物は自治体が勝手に処理できないと法律で定められている。
なので国が責任を持って処理に対応しなければならないはず、なのである。本来ならば。
科学者の日記110530 政府も少しはなにかやってください

茨城県鹿嶋市 学校給食に県内産使用せず(2011/05/28)
茨城県鹿嶋市教育委員会が学校給食に県内産食材の使用を見送っていることが分かった。保護者からの要望を受けたもので、当然の措置。御用新聞はお決まりの「風評被害を助長する」とするJAや農業関係者の声を載せているが、それはいいがかり。

宮城-千葉県沖の海底の土からセシウム(2011/05/28)
文部科学省の調査で、宮城県から千葉県沖にかけて南北300キロの広い範囲で、海底の土砂から通常の値を上回る放射性セシウムが検出。これらの海域では通常土1kgあたり1ベクレル程度だが、1.9〜320ベクレルが検出された。最高濃度は福島第一原発の沖合30キロ地点。80キロ離れた宮城県気仙沼沖で110ベクレル、120キロ離れた茨城県東海村沖で50ベクレル。千葉県銚子市で1.9ベクレル。

福島県伊達市のウメ 規制値超えるセシウム(2011/05/28)
福島県伊達市で5/26に採取されたウメから1kgあたり580ベクレルの放射性セシウム検出。市場には出回っていない。(ウメは放射性セシウムを吸収しやすいものらしい)

例えばこんな人が「御用」(2011/05/27)
自分が今さらここに書くまでもないんだろうけどね、これは自分用メモでもあるから。
長崎大学教授・山下俊一。近畿大学教授・杉浦紳之。
東京大学付属病院放射線科准教授・中川恵一。
以下、てっとり早いリスト。
http://www47.atwiki.jp/goyo-gakusha/pages/13.html

30キロ圏外の浪江町津島で耳なし子うさぎ・・・?!(2011/05/27)
以下、オリジナル記事のさらにリンク記事ですが。原発事故後、福島県浪江町で耳のないうさぎ
が生まれたと、、、郡山市では、放射能の影響なのか定かではないものの、チューリップに
異変が。あぁ、神よ。
http://noguchihiromi.blogspot.com/2011/05/blog-post_5207.html

福島の土壌汚染、チェルノブイリ級か(2011/05/27)
「一部で」という但し書きはつくものの、疑いようのない事実となってしまったようだ・・・
日経「福島の土壌汚染、一部チェルノブイリ並み 原子力委で報告」より抜粋。(記事削除されてました 2011/08/09)
「原発に近い同県の飯舘村や浪江町の一部を含めた計約600平方キロメートルの地域で、汚染濃度が1平方メートルあたり148万ベクレルを超えた。これはチェルノブイリ原発の周辺地域で強制移住の基準となった放射性レベルだという」

スイス脱原発へ(2011/05/26)
スイス政府は25日、国内に5其ある原子力発電所の稼働を2034年までに全面停止し、「脱原発」を図ると発表した。2、3日前にもドイツのメルケル首相が脱原発宣言をしましたね。インドでも見直しの動きが活発になっている様子。

中川恵一・東京大学付属病院放射線科准教授の発言(2011/05/26)
2011/05/26読売新聞より。「ヒトの細胞には放射線で傷を受けたDNAを修復する機能があり、長期間に受ける線量が100〜150ミリシーベルト以下なら、ほとんどが修復される」この「長期間」ってどれくらいのことを指してるの?年間1ミリシーベルト以下って法律で決まっている値で、その100倍ですけど。あ、この人有名な「御用」学者だったんですね。なるほど。

IAEAとWHOの協定(2011/05/25)
今さら知ったが、1959年に結ばれた協定により、WHOはIAEA(国際原子力機関)の許可なしには調査書を発表できないとのことである。IAEAはチェルノブイリの死者数を約4千人と発表しているが、実際の被害者数はこれよりはるかに多い(100万人)とする見方もある。

千葉・群馬の生茶葉から放射性セシウム検出(2011/05/25)
千葉県では野田、成田、富里、山武の4市で763〜622ベクレル、群馬県渋川市で780ベクレル。

伊豆市産・茶の生葉、379ベクレル(2011/05/25)
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20110520/CK2011052002000159.html
静岡県は19日、茶葉に含まれる放射性物質を測定する定期調査で、伊豆市産の茶の生葉から1キロ当たり379ベクレルの放射性セシウムを検出した、と発表した。県内で最大の検出量だが、国の暫定規制値500ベクレルを下回っており、調査を担当した県危機管理部は「健康への影響を心配するレベルではない」としている。

「規制値を下回っているから安全」こんな印籠を振りかざされて放射能に汚染された食品を買わされてはたまらない。静岡県川勝平太知事発言。「がぶ飲みしたいくらい。静岡のお茶は安全です」この人達は、生産者を守ることだけしか考えていないわけで、消費者の健康なんかどうでもいいわけだ。

「風評」じゃないだろ(2011/05/23)
荒茶の放射線量検査を拒否している神奈川県黒岩知事の発言。読売新聞より。
「荒茶の規制基準が、風評被害を拡大しているので、厚労省にははっきりと主張したい」
だ・か・ら。実際に茶葉からセシウムが検出されているんだから、風評じゃなくて実害
だろうが!!!その脳みその空っぽさかげんに力が抜ける、、、


茶葉の検査拒否問題(2011/05/22)
厚生労働省が1都13県に対し茶葉の放射線量検査を要請したところ、「静岡 神奈川 埼玉 栃木」の4県が拒否している。生茶と荒茶では検出量が大幅に変わるからだとかなんだとか、そんなことはどうでもいい。セシウムが検出されたこと自体が問題なのである。薄めれば(飲料として飲む時には)基準値以内になるからって、汚染された茶を飲まされてはたまらん。生産者よ、誠実であれ。

生活習慣と放射能汚染の根本的な違い(2011/05/22)
よく多くの学者や医者がガンにかかる確立について「(低線量放射能の被曝より)喫煙によるリスクの方が高い」と発言する。これはナンセンスな論理のすり替え。喫煙や食習慣は大人が自分の責任で管理できるもの。被曝はどうかと言えば、自らの選択の余地もなく勝手に汚染物質がまき散らされているわけで、「明日から被曝やめます」というわけにいかない。

被曝限度の基準は誰が決める(2011/05/21)
以下、http://takedanet.com/2011/05/post_688a.htmlより。
放射線医療の学者が、1年に20ミリで大丈夫だと言っているのは、学者が自由に発言していること
であって、教育に適応するようなものではありません。

いわき産ムール貝、ワカメからセシウム(2011/05/21)
5/19発表。いわき市産ムール貝から放射性セシウム650ベクレル、ワカメから1200ベクレル検出。

宮城の牧草からセシウム(2011/05/21)
5/18発表。宮城県丸森町の牧草から1kgあたり1530ベクレル、同県大崎市で同350ベクレルの放射性セシウムが検出された。

横浜市の学校給食(2011/05/20)
以下、http://takedanet.com/2011/05/post_268d.htmlより抜粋。
横浜市の学校の給食に、「福島産のキャベツ,もやし,きゅうり,アスパラガス,牛肉」が使われているという。

なんということだ。

福島の農業を助けるのは良いことだが、だからといって子供達に「汚染された野菜」を食べさせるのはとても可哀想だ。農業を助ける他の方法を採るべきだ。
給食の担当者は「安全だ」と言うだろうが、それは「基準値以下」ということである。もしスーパーに「福島産」と「秋田産」が並んでいて、「福島産」のホウレンソウを買う母親がいるだろうか?大人は自分の食べるものを選ぶことができるが、子供はできない。給食の人は本当に母親になって子供を守って欲しい.

さらに同ページより。
チェルノブイリ原発事故の時、ドイツではセシウム137を筋肉に含む牛肉は食用にならない上、焼却しても半減期が30年ということで全て処分した。さらに遙か離れたスイスでは、(ドイツと違って)牛や羊に前年の干し草を食べさせ、また羊の群れを汚染されていない西部のフリブール州に移動させた。日本では、福島原発に近いウシを全国(24都道府県)に移動させた。ドイツとスイスの処置は1年1ミリを守ったもので、日本では「被曝ぐらい我慢しろ」ということである。


汚泥から高濃度放射性物質(2011/05/09)
福島市、堀河町終末処理場の汚泥から、1kgあたり44万6000ベクレルの放射性セシウムが検出された。汚泥は敷地内のコンテナに保管されている。

作家、丸山健二氏の言葉(2011/05/09)
何日か前の新聞より、地震・原発事故関連のニュースに絡めて。
これは第二の敗戦。日本人は精神主義で、現実を直視できない。情緒に流されず、合理的に物を見るようにならなければ、何度でも同じ悲劇を繰り返すだろう。

チェルノブイリ原発事故の被害、公式発表一部(2011/05/08)
緊急作業にあたった50人が死亡(IAEA調べ)
がん死者9000人と予測(WHO)
将来予想を含む事故関連死者数4000人(国連試算)
国内の「御用」学者の人々は、さかんにチェルノブイリ原発事故によって大人が癌になったとする報告はない、だとか、重篤な症例は報告されていない、などと言い続けている。

原子力事故レベル6の条件(2011/05/08)
原子力安全委員会によると、2011年3月12日から24日に放出されたヨウ素131の総量は単純計算で約3万テラベクレル。これは数千〜数万テラベクレルを規程している原子力事故レベル6の条件に当てはまる。(2011年4月10日付け読売新聞より)

チェルノブイリ後のヨ−ロッパにおけるセシウム降下量(2011/05/08)
チェルノブイリ事故後ヨ−ロッパ各国の放射性セシウム検出量国土平均値。出典:2011/04/06付け読売新聞。
オーストリア 18,700ベクレル
フィンランド 12,200ベクレル
ドイツ 2800ベクレル

福島県内土壌から最高値のセシウム検出(2011/05/08)
6日に採取した福島県波江町内の土壌から1kgあたり放射性セシウム137が43万ベクレル検出。これまで原発周辺土壌から検出された値としては最高値となる。また波江町赤宇木(原発から31キロ地点)での3/23以降の積算放射線量は2万6220シーベルトに達した。それにしてもこの積算量の計測はどういう意図があるか知らないが一番飛散量が多かった時期、つまり3/23日以前は含まれていないので、それを考慮すると実際はもっと高い値になるはず。

節電キャンペーンの真実(2011/05/07)
2003年の夏、東京電力の原発が全て停止されたにも関らず停電は起きなかったという事実があった。http://www.freeml.com/bl/7083189/79322/

(自分も上記の出来事をすっかり忘れていたが)日本人の多くは、プロパガンダによって「 1.思考停止に陥り 2. 一気に流され 3. 一気に忘れる」を繰り返す。日本人がこの思考・行動パターンを180度変えないかぎり、同じ過ちと悲劇を繰り返すだろう。頼む、みんな目を覚ましてくれ!

巨大な技術の未来(2011/05/07)
「私たちは次々と開発される巨大技術に対して、人間の頭脳の限界との関係を調整できず、それを「犠牲者」という形でつじつまを合わせているのだ」中部大学・武田邦彦氏のブログより。http://takedanet.com/2011/05/post_86ce.html

土壌汚染の規模(2011/05/07)
先月公表のデータだが、福島県飯館村の水田で、1kg当たり最大2万8901ベクレルを検出。(現状の基準値は土壌1kgあたり5000ベクレルまで)



海底土砂から1000倍セシウム検出(2011/05/04)
3日東京電力の発表によると、福島第一原発から15〜20キロ離れた沿岸部の海底の土砂から高濃度の放射性セシウムとヨウ素が検出されたとのこと。土砂の採取は4/29。南相馬市小高区沖で、土砂1キロあたり最大セシウム137が1400ベクレル、セシウム134が1300ベクレル。いずれも通常の1000倍の値。

原発賠償 国民にも負担(2011/05/04)
電気料金値上げを政府・民主党が容認する姿勢。「原発による恩恵を受けていた利用者に広く薄く負担してもらうことで長期間に及ぶ賠償金の支払いに対応したい考え」・・・何か書こうとすれば卑俗語しか出てこないのでやめておくが、ひと言だけ言わせてくれ。原子力によるエネルギーを利用したいと頼んだ覚えは一度もない。

埼玉と栃木で牧草から規制値上回る放射性物質を検出(2011/05/03)
* 埼玉県熊谷市 放射性セシウム1kgあたり420ベクレル、ヨウ素90ベクレル
* 埼玉県東秩父村 放射性セシウム1kgあたり340ベクレル
* 栃木県足利市 放射性セシウム1kgあたり650ベクレル、ヨウ素90ベクレル
* 栃木県那須町 放射性セシウム910ベクレル。

米の作付け制限の基準(2011/05/03)
国は現状、放射性セシウム134及び137の濃度が土壌1kgあたり5000ベクレルを超える福島県内の一部の水田で作付けを制限している。

福島県で下水汚泥から放射性物質が検出(2011/05/03)
福島県郡山市の浄化センターで処理された下水汚泥と汚泥を焼却して乾燥させた溶融スラグから高濃度の放射性物質が検出されたとのこと。(1日発表)4月28日の測定で汚泥は放射性セシウムが1kgあたり6400ベクレル、スラグからは33万4000ベクレルが検出。これは事故前のスラグの1300倍以上の濃度。汚泥の一部は再利用目的で県外のセメント会社に搬送済みとなっており、県は追跡調査を行う。現状放射性物質を含む汚泥の取り扱いには国の基準がない。福島県はこの処理方法等の方針を定めるよう、国に要請した。

福島県内7ヶ所の牧草 放射性物質濃度規制値超す(2011/05/01)
福島県の発表によると、県内7ヶ所で放射性物質の濃度を測定した結果、7ヶ所すべてで放射性セシウムについて乳牛と肉牛における規制値を上回っていた。同ヨウ素は2ヶ所で乳牛の規制値を上回った(肉牛は同ヨウ素について規制値なし)。最も濃度が高かったのは相馬市で、ヨウ素1kgあたり170ベクレル、セシウムが同9200ベクレルだった。県は3月19日に原発事故後に収穫した牧草の使用自粛を求めており、同日以降、県内の牧草は使用されていないとしている。福島県により30日発表。2011年5月1日付け読売新聞より。