2011年8月14日日曜日

チェルノブイリを忘れるな

(この記事は2011/3/26に書かれました)

いいかげん終わりにしたいが終われない、原発&放射能ネタ。
この際ヤケクソで直球勝負なタイトル。

2011年03月今現在、これほど「被曝」「放射能」という言葉に日本国民が関心を寄せるのは、(広島/長崎原爆問題を除くと)恐らく戦後初めてのことではないか。政府やメディアがあそこまで必死に「冷静な対応」を呼びかけなくてはならないほど、実際は非常事態であることが読み取れる。

被曝の具体例については、「御用」メディアからの情報源に過ぎないが、一応記録しておく。以下yomiuri onlineのサイト記事から、一部抜粋。

被曝すると健康にはどんな影響が:被曝対策

被曝後すぐに症状が出なくても、数か月から数年以上たってから、白血病や甲状腺がんなどを発症することもある。妊娠から間もない妊婦が放射線を多く浴びると、胎児に奇形などが生じる危険性もある。

大量に浴びた場合…10日~3週間で急性症状:被曝対策

大量に放射性物質を浴びることで、影響を受けやすいのは、リンパ組織、骨髄・造血組織や、腸管などの臓器だ。被曝後10日から3週間の間に、免疫の低下で高熱やのどのはれなどの感染症状が出たり、血小板が減ることによる皮膚からの点状出血や、腸管の損傷による下痢などの症状が出たりする。被曝量が高いほど、症状が出始める時期が早くなり、症状も重くなる。いつ、どの体の部位にどのような症状が出たかは、被曝量を評価する重要な情報になる。

一昨日あたりテレビを見て気になったのが、どこかの大学教授(名前は失念)が放射能汚染について説明していた際、チェルノブイリでは汚染されたミルクを飲み続けた子供が甲状腺がんになった他には、大人からは(放射能汚染による)疾患例は報告されていない、などと発言していたことだ。その教授は、チェルノブイリ近辺で長期にわたって汚染された食物を摂取し続けた大人から(癌などの)罹患は報告されておらず、健康上何ら問題なく過ごしている、と発言した。暗に「だから心配しなくても大丈夫」と言っているようにもとれるが、矮小化もはなはだしくかつ異常な無責任ぶり、という印象だ。あの番組のあのパートだけ見た予備知識のない人は、あれがそのまま真実だと思ってしまうのではないか。

以下は私が昔、チェルノブイリ原発事故の影響について学校のセミナーで聞いた話である。
煽るつもりはない。あくまで聞いた話をそのまま書くだけである。


現場周辺においては、まず男性の精子の減少が確認されている。(先ほどの教授は、精子の量が減ったくらいだったら「健康上問題ない」と捉えるのだろうか?)

そして奇形の胎児の出産事例が確認されている。
どのような奇形だったかは、あまりにもショッキングなので、ここでは書けない。
奇形の植物の出現も確認されている。汚染された土壌からは、巨大に成長したタンポポなどが出現したとのことだ。

ゾッとするだろうが、想像してみてほしい。大地から現れた、巨大なタンポポを。
いや、普通は想像したくないだろう。世界がそんな風になることを。
それは、人が人として生きていける世界ではもはやない。

自分は奇形の胎児や植物の映像を、直接見たわけではない。
しかし私はあの時聞いた、あの話を絶対に忘れない。

国内のマスコミや専門家は無責任に「これくらいの測定量では日本ではチェルノブイリのような事態にはならない」などと発言したり、「チェルノブイリでは実際にはそれほど被害がなかった」などと平気で伝え続けるのだろう。
しかし、重篤な大人の罹患例はなかった、などとする専門家の発言やマスコミの報道を、私は信じない。自分は、絶対にチェルノブイリを忘れない。

ここで吠えてもどうにもならないことは分かっている。それでも言う。
チェルノブイリを知っている人は、思い出して欲しい。忘れないで欲しい。
知らない人は、知ろうとする気持ちを持って欲しい。

それを忘れずにいることや知ることは、あなたやあなたの家族、友人を守ることにつながるだろう。

補足:チェルノブイリ原発事故の被害、公式発表一部
緊急作業にあたった50人が死亡(IAEA調べ)
がん死者9000人と予測(WHO)
将来予想を含む事故関連死者数4000人(国連試算)


巨大タンポポの映像を見つけた。広島/中国新聞のサイトより。
↓ ↓ ↓
http://www.chugoku-np.co.jp/abom/nuclear_age/former_soviet/011216.html

追記(2011/06/01)
チェルノブイリではないが、旧ソ連による核実験が行われていた旧カザフ共和国のセミパラチンスク村でも奇形の胎児が発生している。その身体はセミパラチンスク医学アカデミーに保存されている。その地は今でも土壌汚染がひどいとのことだ。朝日ジャーナル6/5号より。