2011年8月14日日曜日

しつこくメディアリテラシー

(この記事は2011/3/15に書かれました)

原発ネタ続き。

福島原発から110km離れた茨城でも、通常の値を相当量超える放射線が確認された。
以下によると、茨城県東海村・東京大学の施設において、通常放射線量0.05マイクロシーベルトのところ、3月15日朝には5マイクロシーベルトが観測されたとのことだ。100倍だ。・・・放射能は風によってここまで運ばれるのである。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110315/t10014679121000.html

もっと怖いのが以下のニュース。
「3号機核燃料プール 覆いなし」って、、、
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110315/t10014678661000.html

3号機で14日の爆発により原子炉家屋の屋根がふきとんだため、プールの上を覆うものがない状態であり、建物上部に蒸気のようなものが漂っていることが観測されている。これについて東電は「現時点では明確な答えはできない」としか言っていない。そうとしか言えないだろう。「真実」はとても話せる内容ではないのだ、と捉えておいた方がいい。この「建物上部の蒸気のようなもの」が風に乗って遠くに運ばれたらー。

事故による被害そのものも恐ろしいが、一番恐ろしいのは、どうにでもとれる
曖昧な発表を繰り返し、事故や災害の実体をあくまで覆い隠そうとする日本の原子力産業の体質そのものだと思う。例えば「人体に即座に影響がある値ではない」と繰り返されている発表は、裏を返せば「後発的に影響が出る恐れがある」とも捉えられるし、「即座には影響はでないが、長期的な影響が発生する可能性がある」ということかもしれないのだ。

煽る内容を書くつもりは一切ない。これくらいのことは、常識的程度の放射能に関する知識があれば読み解けることだ。2番目に恐ろしいのが、日本人の多くが、放射能に関する常識程度の知識も、関心ももっていないことである。自分はあくまで既存の報道から数少ない予備知識を照らし合わせて、表面に登場する文字の裏をどうにか読み解こうとすることしかできない。明確な答えや真実に近い答えを、自分が導けるわけでもない。多くの人が今回の原発災害を受けて、ネット上に答えを求めようとするだろう。しかし重要なのは、他人が与えてくれる安易な結論などではなく、自ら情報を分析し、状況を把握する力である。

やたらと固いもの言いになってしまったが、この非常事態に余計なことに気をつかっていられない。この問題に真剣に関心を持っている人が、このページにアクセスしてくれることを心から願う。