2011年8月14日日曜日

風呂の適温と放射能汚染

(この記事は2011/04/02に書かれました)

3月31日付け読売新聞に、またしても放射能関係専門家の無責任発言が掲載されていた。さんざん同じことを繰り返し言われているのでここで改めて書くまでもないし、書くこと自体もううんざりなのだが、あまりにも間抜けな発言なのであえて記録する。

現在、原発からかなり離れた首都圏などでも「通常の数倍」の放射線量が計測されている。放射線は目に見えない上、シーベルトなど耳慣れない単位も不安を高めていると思うが、例えば、温度が4度から40度になった風呂に手を入れても大丈夫なように、心配はない。
(放射線医学総合研究所緊急被ばく医療研究センター長/明石真言)

いくら素直な日本人でも、この説明に納得できる人はいるだろうか・・・
「温度が4度から40度になった風呂に手を入れても大丈夫」って、それで筋道のついた説明をしてるつもりなんだろうか、、、

素人にも分かりやすく説明するために日常生活に密着した例えを持ち出したつもりなんだろうが、風呂の温度に例えるのはいくらなんでも間抜けすぎる。ロジックも成り立っておらず、完全あさっての方向である。乱暴な言い方を許して貰えば、「バカにするのもいいかげんにしろ」である。この人が猿ではなく人間ならば、こんなトホホな例え話を持ち出して自分自身の間抜けぶりを露呈したことに後で気がついて、恥ずかしい思いをしているに違いない。が、最後にはご丁寧に、「「風呂」の温度変化には注意が必要だが、普通の暮らしを
維持するのが大切だ。」と述べている。間抜けすぎ・・・(だから、放射能汚染と風呂を一緒にするんじゃねぇーーー!)

大体、風呂の適温ははなから40度だ。あえて風呂の温度に例えるとしたらこれが平常値なんだから、首都圏の測定値上昇を当てはめると4度から40度になったんじゃなくて、40度が400度になったってことになるんじゃないか?

・・・って、自分でも何を書いてるんだかよく分からなくなってきた(汗)
こんな間抜けなおっさんの揚げ足とりなんかすると自分まで間抜けになってしまいそうなの
で、もうやめておくが。。

このおっさんも例のごとく「(野菜などに)放射性物質が表面に付着していて、口に入ったとしても過敏になる必要はない」と無神経に述べている。連日怒濤のように同様の発言が専門家からなされているが、よく考えてみて欲しい。同じことを残留農薬や食品添加物に当てはめたとしたら、こんな無責任な発言が許されるだろうか。

食品に国内の基準で許可されていない添加物が含まれていたことが発見された時の、
メーカーの対応を思い出して欲しい。即時回収とお詫びの広告が常識である。この場合に専門家が「ただちに健康への影響はない」と言うくらいの可能性はあっても、「過度に心配するな」「冷静に対応を」などと言うのを聞いたことがない。そんな発言、消費者が許さないだろう。(日本人は酒席での無礼講が許されるなどアルコールに対して「甘い」国民性が特徴だが、放射能汚染に対しても同様に甘いのか?)

問題の論点は、「通常時より数倍の値の放射線量が測定された水道水や食品を口にして大丈夫かどうか」ではないのである。人が不確定/不確実なものに不安や警戒心を抱くのは当然の心理だ。それは生きていくために必要な本能と言える。ましてやそれが肌に触れたり口に入ったりするものであれば、なおさらである。

この値はいつ元に戻るのか、また再び値が上昇する可能性があるのか、そもそもこの問題を
引き起こした元の原因は何なのか、その責任はどこの誰にあるのか。

福島近隣の農家/酪農家の方々の無念は計り知れない。一方消費者は、自分で納得した食品を選択する権利がある。そのこと自体は、風評被害拡大に加担することとは、根本的に違う。国は国民に対して、安全な水と食品の供給を行う義務がある。日本国民は、「冷静な」監視と追求の姿勢を緩めてはいけない。