2011年8月14日日曜日

原子力リテラシー

(この記事は2011/3/16に書かれました)

しつこく福島原発ネタ。生きるか死ぬかの瀬戸際だ。
今日も福島原発及びその遠方でも高濃度の放射線が確認された。


以下、http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110316/k10014724001000.htmlより抜粋。

福島県では県内の7か所で放射線の計測をしており、このうち原発から北西に65キロほど離れた福島市では16日午前0時に1時間当たり21.4マイクロシーベルトと通常の530倍余りの放射線を計測しました。また、原発から南におよそ70キロ離れた茨城県の北茨城市では、16日午前11時40分ごろ、通常のおよそ300倍となる1時間当たり15.8マイクロシーベルトを計測しました。これらの数値の放射線を1時間浴びたとしても、胃のX線検診で受ける放射線量のおよそ30分の1から40分の1で、健康に影響が出るレベルではないということです。

あらゆる報道で繰り返される「健康に影響が出るレベルではない」という表現。
健康に影響が出るレベルでなければ通常の530倍の放射能が飛散しても問題ないということにはならないはずだ。惑わされてはいけない。

原発報道の問題点は、1. 事故そのものの隠蔽/過小評価と、2. 人体への被害の過小評価(言い換えると「健康へは大した影響ははない」と報道することによる問題の置き換え)、
そして 3. 環境への影響に関する言及が全くされていないことだ。テレビ、新聞、ネットニュース、どれに接してもこの最後の3.の問題には全く触れられていない。意図的に言及していないと思われるが。当然、言及しないのには理由がある。

何かの縁でこのページにアクセスしてくれた全ての人に言いたい。
耳辺りのいい報道の裏に何が潜んでいるか、自分の力でよく考えて欲しい。

一応「専門家」という立場の人間が「花粉症と同じ対策を心がければよい」などと軽々しくマスコミで発言しているのを聞くと目眩がする。新聞に、やはり原子力の専門家の「チェルノブイリの事故では科学的にはそれほど多くの被害者は出ていない」などという発言が掲載されており、これにも「よくもそんなことが」と、怒り心頭である。




ここでは詳しいことは書かないが、(書くべきなんだろうけどね、寝れなくなるから。機会があればまた別途)福島の事故の影響を本気で知りたかったら、チェルノブイリ原発事故のインパクトを詳しく調べてください。それは、「放射能というものが何であるか」という理解に直結する。放射能は、核エネルギーと同等の存在であるという事実を忘れてはいけない。今さらここに書くまでもないことだが、広島/長崎に投下された原爆も、原子力発電所の電気エネルギーも、元は同じ核エネルギーによって作られているというのはまぎれもない事実である。自分は、日本人の大半はそんなことも知らないで今まで生きてきていると予想しているが。

本来は深い学習が必要なことではあるが、放射能については以下のリンクに目を通すだけでも、「プチ理解」くらいならできるだろう。(ウォールストリートジャーナルの日本語記事より)
炉心溶融で漏出する物質―危険なのはヨウ素、ストロンチウム

海外から来たNGOの職員などは、原発事故に関して日本政府の発表は信頼できないのでもっぱらBBCやCNNなど海外筋から情報収集して判断しているとのことだ。英語が出来なくても、翻訳ツールでも使えば最低限の主旨くらいは理解できるはずなので、関心がある人は、というか、生きたい人は海外記事にも目を通しましょう。

原発事故について知りたくてたまたまこのページにアクセスしてきた人へ。
一個人である自分はこの事故や放射能の影響について明確な答えは持ち合わせていない。
ただ、これだけはこれだけは言っておく。安易に解答を求めることなく、自らの力で情報を分析し、知性を駆使して冷静に状況を判断して欲しい。

あなたのその知性が、大きな一歩になるかもしれない。